【10/29追記】Eastwardを1周クリアして思ったこと 感想とかレビューとか(ネタバレ少なめですが敏感な方はご遠慮ください)
※評価についてアップデートにより一部改善された部分があります。
一番最後にまとめてあるので最後まで確認をお願いします。
見出し画像を雑に自分で描くのがなんか面白くなったので多分今後も続きます。気合い入れて描くのは疲れるのでやりません。
このゲームについてはSteamのページを見てもらうことにして(ページをある程度見たことを前提に話が進みます)、PVを見た時に雰囲気よさげでグラフィックとBGMにかなり気合が入っていたのでだいぶ昔から買おうと思ってたんですが、結構賛否ありそうなゲーム性だったので色々書こうかなと。第一印象はMother3みたいな雰囲気で2Dゼルダのようなアクションをマリオ&ルイージRPGのシステムでやるゲームって感じのアクションアドベンチャーで、高評価か低評価どっちかをつけなさいって言われたらまあ高評価をつけるんですけど、普通っていう選択肢があったら普通にしちゃうかもくらい。大雑把な評価はそんな感じ。
ここから各項目ごとに思ったことを良かった点や悪かった点があればそれらを交えて書いていこうと思います。当然ですけど自分にわかる範囲での個人的な感想、評価になるので本当でやんすか?って思う方は買ってやってみましょう。
それと「大地の子」というそれなりのボリュームのゲーム内RPGが存在するのですが、メインシナリオと関係あるのかないのか不明だったため1周目は手をつけてませんのでこの部分は割愛します。
メインシナリオ
正直よくわかりませんでした。もちろん全く理解不能とかではなく大きな流れは理解できたんですが、重要な部分が詳しくは語られない(と思う)。考察の余地を残しているのか、自分の理解力が足りないのか、実はトゥルーエンドが他にあるのかは現状知りえないことなのでそれ以上のことは言えないのですが、消化不良感が自分の中に残ったのは事実です。
しかし章ごとにひとまとまりで見るとたまに急展開はあれどある程度まとまっているし、メインキャラクターの珊を筆頭に個性的な面々が面白おかしく話したり動いたりする様子は非常によくできてるので難解なストーリーの中でも終始退屈にはさせない努力は感じられました。住民に話しかけた時のセリフも場面によって細かく変化していって相当こだわりがあり面白い。
ただ様々な謎や伏線をストーリーが進むにつれて少しずつどんどん積み重ねていくわりにはなかなか回収されないままゲーム終盤まで進み、いざ一部の謎が明かされた時に「そういえばそんな話あったっけな」となることがそこそこあったので、その辺りはちょっと残念でした。自分の記憶力の問題もあるので一概に不満点と言っていいのかもわからないですが、結局よくわからずじまいの部分もあるので謎の積みすぎは感じました。
総評は、全体的にはMother3のような不思議な雰囲気は嫌いではなかったし、本筋はしっかりとは理解できずに消化不良ではあったものの部分部分のコミカルなやり取りやシリアスな場面、丁寧なグラフィックで動く演出は良いと感じたので個人的にはまあまあ良かったかなと思いました。
戦闘面
大まかに言うと前述のように2Dゼルダのようなシステムで、ストーリーが進み2人で行動できるようになるとマリオ&ルイージRPGのような要素が追加されて、状況に応じて操作プレイヤーを切り替えたり時には単独行動をとったりして進めていくのが基本のゲームです。ジョンは主に攻撃、珊は主にサポートに長けていて、謎解きにはそれぞれの特徴を生かす必要があります。
では本題に入りますが、まず珊が動きを止めてジョンで攻撃するっていう基本の戦闘ムーブは単純に面白かったです。ジョンの攻撃でひるむような雑魚敵はジョンでひたすら殴るだけでいいのですが、動きが素早い敵やジョンの攻撃でひるまない敵、または大技の準備をする敵などに対しては珊の敵の動きを止める魔法を使って倒すのが有効で、これは結構好きでした。ただ、敵を倒すことにさほどメリットが無いのにこの戦術を前提とした硬さの敵がそこら中に歩いているので、慣れてくると珊で動きを止めて横を通る、もしくは完全に無視して普通に当たらないように通るのが主になるのがちょっともったいない。それに珊の魔法が結構当てにくく、動きが速い敵には珊の魔法を当てないと大ダメージを与えられないのに動きが速いからただでさえ当てにくい魔法が余計当たらない場面は多く、そこは少しストレスになることもありました。あとはシナリオ上で珊が離脱するパートがあるのですが、この間の戦闘はジョン1人で硬めの敵と戦うことになるので少し単調になって微妙かなと。
ボス戦は手順に従って戦うギミック重視の戦闘と攻撃を避けては隙をついて攻撃するアクション重視の戦闘があるのですが、ギミック重視の戦闘はバランスよくまとまっているものが多く楽しかったです。ヒントが少ないボスも何体かいますが、倒し方がわからず詰んだみたいなことは無かったのでここは純粋に良い点だった。しかしアクション重視のボス戦では「ジョンと珊それぞれに当たり判定がある」仕様が結構厄介になって、そもそも機動力が高くないうえに敵が攻撃したのを見てから動いても後ろからついていってる方が動きだすのはワンテンポ遅いので当たってしまうということが多々ありました。これは動きの速い雑魚敵戦でも結構起こります。なので常に動き続けないと避けるのが難しいボスなどがいてそこそこ煩わしかったです。
総評は、2人に当たり判定がある仕様と、魔法自体は良くても当てることが前提となっているデザインはちょっと個人的には微妙でしたが、基本的なシステムは気に入っているのでそこそこ良かったです。
謎解き面
これは個人的にはよくできてたと思いました。破綻してる部分もほとんど無く、難しすぎると感じる部分も特には無かったです。ただ一部ギミックのノーヒント初見殺しで一発ゲームオーバーとか制限時間付きギミックの制限時間がリセットできない部分は普通にめんどうでした。
あとは木箱とか火薬箱とかジョンじゃないと壊せないオブジェクトが無意味に道を塞いでていちいち交代や武器変更をしないといけない箇所があるのが気になった程度で謎解きそのものに対しての不満はほとんどありません。
ただ謎解きに関連することで1つ気になったのは、謎解きは個数制限がある弾薬や爆弾を使うギミックがほとんどでこれらが足りなくなったら一旦引き返して補充しないといけないんですが、これが中盤以降かなり無駄というか意味のない要素になってます。確かに弾薬を消費して使う武器や爆弾は火力が高いという特徴があるので、これが無制限に使えたらちょっと強すぎるというのはわかるんですが、中盤以降は時間経過で弾薬と爆弾が補充されるシステムが追加されるので安全な場所ならただ待ってるだけで全回復するようになるんですよ。なのでボス戦中以外なら基本いつでも弾薬と爆弾が全回復できる。待ってれば全回復するならもう時間の無駄なんでボス戦以外は弾薬と爆弾無限でいいと思うんですよね。さらにこれらが少なくなると露骨にドロップしやすくなる配慮までされてて、そこまでするならなおさら無限でよくないかって話になってくる。プレイ中も何回か「弾薬少なくなってきたから放置すっか」っていう場面があったのでここは改善したほうがいいんじゃないかなって思いました。
総評は、弾薬と爆弾が無限なら特に不満はなく、かなり良かったです。
ただし即死初見殺しだけは許さない。
探索面
ここではシナリオを進めるために必須の探索と宝箱やボーナスアイテムなどの必須ではない探索をまとめて扱います。
まずシナリオ上必須の探索についてですが、めちゃめちゃ親切に教えてくれるので迷うことは無いです。マップを開けば目的地にマーキングがあり、ログを開けば目的が記してあるので、しばらく間が空いたりしても目的を見失うことはまず無いのは良い点だと思いました。
しかし、目的も目的地もはっきりしているのに目的地まで歩いては次の目的地が提示されその繰り返しが何度も続くいわゆるおつかいを長時間やらされるのは少し退屈でした。例えば「○○で情報を得てきて」→○○に移動→「××に行けばいいよ」→××に移動→「ここは解決したからまた○○で情報を得てきて」→○○へ移動→「次は□□に行けばいいよ」→□□へ移動→「ここも解決したので△△に行けるよ」→△△へ移動→「これで解決ですね」みたいなことがあるんですけど、これって最初に○○に行った時点で××と□□の情報両方出せばこんなに往復する必要無いんですよね。ちなみにファストトラベルはもちろん、ダッシュも無いので基本歩いて移動になるからめんどうでここはこのゲームであまり良くない点でした。
ここからは必須ではない探索についてですが、うまく隠されているものが多くまあまあ良くできていると思います。それに序盤に宝箱や隠しアイテムに近づくと音が鳴るセンサーを手に入れられるので、わかりにくい隠し場所でもそのうち見つかるくらいのバランスにまとまっていて、初見プレイでは9割くらいの宝箱やアイテムは見つけることができました。
ただしこのゲームの探索における最大の問題点は、一度クリアして離れたステージには戻ることができないので、取り逃したアイテムはもう二度と手に入らないことです。この仕様は結構致命的で後述する要素とも全く嚙み合っていない。ただシナリオ上戻れたらおかしい所もあるので難しい話ではあるんですが、このゲームはリアリティを追及して機能性を犠牲にしている部分が多々ある(前述の弾薬の仕様やファストトラベルがないことや後述のお店の仕様など)ので、なんとかして落としどころを作ることが出来たらこのゲームの個人的評価は大きく上がります。
総評は、探索そのものは良くできてるが、それに付随する要素に致命的な欠陥があるので何とも言えないというのが正直な感想です。
買い物と料理
そんなに大きな要素ではないんですけど、結構言いたいことがあったので2つまとめて項目にしました。
まず商品や食材、料理1つ1つについてる説明テキストが凝っているので眺めてるだけで面白かったのは細かいけど良いなと思いました。正直売り物のアイテムは性能が低いので買うことはほとんど無かったんですけど、テキストを見に店に入ってみてもいいくらい。ピザのテキストに以前パイナップルを乗せてしまったのでピザ作りは失敗に終わったみたいな戦争が起きそうなことが書いてあったのが一番印象に残ってます。
ただ店に売っている物には個数が設定されていて、0になると品切れになって一定時間買えなくなってしまうので、同じものを大量に購入する場合時間経過を待たないといけない仕様になっています。そんなに長い時間待たされるわけではないけどこれはめんどうなだけだったので改善してほしい点です。
細かい部分では、ごく稀にお店はあるのに周りに戦闘できる場所がなくてお金稼ぎが不可能なことがあって、その時点で十分なお金が無いと十分な買い物ができない可能性があるのも少し気になった。
料理に関しては食材3つと任意で調味料を追加するだけで食材に応じた料理が完成するので様々な料理を簡単に作れるのは良いのですが、その後スロットを回して揃うと効果が上昇するという要素があって結構回復量などに差が出るので、目押しの技術が戦闘難易度に直結してしまうのは少し気になった。
あとは一度クリアして離れたステージには戻ることができないため、特定のエリアでしか売ってないアイテムはその時買わないと二度と買うことができない点、それによって特定の料理が二度と作れないことも起こり得る点は共通して少し残念な点でした。
総評は、1つ1つの商品に対するこだわりはとても良くできてるものの、店売りの出来合い商品は回復量が低いので料理をしましょうというデザインになっているのにもかかわらず、1度に食材を大量購入できない点と一部食材が購入不可になってしまう点が少し煩わしく、悪くないシステムなのにもったいないなという印象です。
実績
自分は実績ってやってもやらなくてもいい要素だと思ってはいるんで項目にするか迷ったんですけど、あまりに言いたいことが多かったのと他のプラットフォームでも販売してる関係でゲーム内に実績がリストアップされるので、今回は「実績は全部揃えたい」という前提で話します。そんなこと全く思わないという方は申し訳ありませんが読み飛ばしていただけると助かります。ほぼ不満点になっちゃうので。
まず実績には大きく分けて「ストーリーを進めると自動的に解放されるタイプ」と「意図的に作業しないと達成できないタイプ」と「クリアに必須ではない要素をコンプするタイプ」が存在していて、これは様々なゲームが同じような形態だと思います。
まず「ストーリーを進めると自動的に解放されるタイプ」は何も難しいことは無くただクリアすれば全開放されるので特に問題はありません。
次に「意図的に作業しないと達成できないタイプ」は正直必要無いと思ってます。これはこのゲームに限った話ではない実績そのものに対する個人的な思いが入ってしまうのですが、この手の実績は大半が無駄なものだと考えているので。基本的にプレイヤーが作業する理由ってその結果得たものでより良いものを得られる、もしくはシナリオ上の目的を達成するために必要であるから行ってるなどが多いと思うんですね。ただこの場合得られるものは実績のみなので実績が作業に耐え得る価値のあるものだと思ってる人しか楽しめない、これって個人的には少数派なんじゃないかなと感じています。
ここでこのゲームの話に戻ると、このゲームには特定の敵からお金を1000稼ぐ実績があるんですけどこのゲームはそこまでお金を稼ぐ必要がない、実績全コンプするなら宝箱も全部開ける必要がありその中のお金でだいたい賄えるのでほぼほぼ実績のための作業でしかないと言っていいと思います。なのでお金稼ぎ実績を実装するなら強いけど値段が高いアイテムとかがあったほうがまだやりがいはあるんじゃないかなと思いました。
最後に「クリアに必須ではない要素をコンプするタイプ」なんですけど、これはかなりだるいです。本来コンプリート要素は達成することでゲーム内で出来ることが増えたり無茶できる範囲が広がったりするので作業実績よりはやりがいはあるかなと思っているんですが、ここまで読んだ方なら察しがついた人もいるかもしれないですけどこのゲームは「一度クリアして離れたステージには戻ることができないので、取り逃したアイテムはもう二度と手に入らない」です。つまり攻略を見ずに達成しようとすると2周3周は当たり前、場合によっては5周6周とさせられる可能性があるんですね。ちなみにセーブデータは最初に選んだファイルに上書きしかできないので分けておくこともできません。全部集めたと思って先に進んだが最後、取り逃しがあったら実績解除のためにはもう1周確定です。しかもこのゲームで実績解除に必要なコンプ要素は、宝箱、体力上限(ジュエル4つで1UPするシステム)、ガチャガチャの景品、珊の能力、食材、料理などがあり、ここで挙げたものは全てクリアに必須ではなく取り逃したら取り返しがつきません。
というか実績にこれだけコンプ要素を入れたということはそれなりに探索に重きを置いたゲームにしたいという意思表示ですよね。それなのに引き返して探索できないのは支離滅裂というか、ゲーム性よりリアリティを追及したほうが面白くなると思った結果だと思うので、ここは何らかの形で改善してほしいです。でないと実績に作業に耐え得る価値を見出せないので。
総評は、このままの状態なら実績ないほうが余計なこと考えなくて済むなって感じです。しかし実績側ではなくゲーム側を改善すれば実績解除に価値を見出せるラインナップではあると思うので、無くすよりかは改善してほしいと思いました。
グラフィックやBGM
最後に不満点で終わるのも見栄え悪いなと思ったのでこの項目を最後に回したんですけど、この点は文句なく素晴らしい。
OPのアニメーションのクオリティもなかなか高いのですが、ドットで町並みやキャラの動きをこのクオリティで表現しているゲームはなかなか少ないと思います。
BGMも良いものが揃っており多くの曲はシーンにマッチしていてプレイを盛り上げてくれます。良くない点として挙げたおつかいが多い点もこの2つが大幅に緩和してくれてはいたので、手放しで評価できる点だと思います。
総評はするまでもないんですけど、この点は購入の決め手の1つになる程度には良い点でした。
超総評
クリアした時に率直に思ったことは、シナリオよくわかんなくておつかい多かったけどそのほかは概ね良かったなって感じだったんですよね。
だいたい収集要素を8~9割ほど集めたうえで20時間くらいでクリアだったので2500円ほどのゲームとしてはボリュームも悪くない。ただやっぱり探索メインっぽいゲームなのに戻れない仕様、ゲーム性よりリアリティを優先した内容が足を引っ張りすぎて評価が下がっちゃう。これが無ければ迷わず高評価はつけるんですけど、最初に書いたように現状は高評価だけど普通があったら普通にしちゃうかもな評価に落ち着いてます。
しかし目を見張る点と改善できる点が多く今後さらに良いゲームになる可能性はあるので、何か展開があればもう1周収集要素なども含めてやりたいと思いました。
なんか前回のゲーム感想より長くなっちゃったんですけど、ちょっと自分は良いゲームなのにここがもったいないな~っていうゲームほど不満点を主張したくなっちゃう性質なので、すげえ不満点並べるやんって思われたかもしれないけどここさえよくしてくれたらっていう思いの結果だということを許していただきたい。
地盤は良いゲームだと思っているので、気になった方はぜひ手に取っていただき実際にプレイしてもらえたらうれしいです。自分には気づけなかった作品の要素、魅力なども見つかるかもしれない。
特に「大地の子」がめちゃめちゃ重要なコンテンツだとしたらもうこの記事は破綻するのでその時は本当に申し訳ない。
それではここまで読んでいただきありがとうございました。
10/29追記分
ファストトラベル、チャプターセレクト、その他機能面の改善がアップデートで行われました。
これにより良くない部分として書いた項目が一部改善したため少しまとめます。
・探索面におけるおつかいの面倒さ緩和
・探索面における取り逃したアイテムはもう二度と手に入らない点が緩和
・実績におけるコンプリート要素の面倒さ大きく緩和
・ドロップ率上昇により謎解きにおける弾薬の不便さが若干緩和
これにより個人的評価が「普通かも」から「概ね高評価」くらいになりました。