「英語教員の負担、どう減らせる?」TypeGOが果たす役割を語る 【11月15日セミナーレポート】
こんにちは、Swell広報部です。
2024年11月15日(金)、英語教員を対象に、EdTechツール「TypeGO」のオンランセミナーを行いました。
※本セミナーは、英語教員がちサロンとの共同開催になります。
登壇者紹介
青波みさと|株式会社Swell代表取締役
1992年生まれ。立教大学異文化コミュニケーション学部卒。TESOL、中学高校教諭一種免許状(英語)保持。米国カリフォルニアでメキシコ人移民に英語を教えた後、国連女性機関(UN Women)東ティモール、UNESCO-UNEVOCドイツで広報に従事。米系リサーチ会社Guidepointのシンガポール支部でリサーチャーを務め、2022年に株式会社Swellを創業。
江澤隆輔先生|英語教員がちサロン運営者
1984年生まれ。広島大学・Warwick University卒業。公立中学校教師。英語教員1,100名以上が集まるオンラインサロン「英語教員がちサロン」の創設者・運営者。書籍やセミナー・TV・講演などで、英語授業・働き方改革に関する情報発信を続ける。主な著書に『苦手な生徒もすらすら書ける!テーマ別英作文ドリル&ワーク』(明治図書出版)、『教師の働き方を変える時短』(東洋館出版社)など。
TypeGOとは?
TypeGOは、タイピングゲーム形式で教科書に準拠した内容を楽しく学習できるオンラインツールです。
GIGAスクール構想(PCやタブレットの導入)やCBT形式の受験、増え続ける単語量など、英語教員の負担を軽減する「授業支援ツール」として開発され、2024年11月現在、全国25都道府県、60校、生徒数にして7,000名以上にご利用いただいています。
今は英語のみ(といっても全国の英語教科書を100%カバーしている)ですが、目指す姿は「世界のあらゆる言語と文化のプラットフォーム」です。
語りすぎると長くなってしまうので詳しくは下記のnoteをご覧いただければと思います。青波の経歴やTypeGOに込める思いなどが書かれております。
TypeGOの機能紹介
それでは、実際にTypeGOの機能を一部ご紹介します。
<生徒用>
ログイン後、ご自身の学校でどの教科書が使われているかを選択。今回はNew Horizon1を試してみます。
学習ステップは教科書に準拠しています。生徒は左側のメニューにある★を5つずつ獲得していき、「マイル」と呼ばれるスコアを積み上げていくことによって達成感を得られます。
学習モードの単語では、日本語訳・英単語・音声がセットになって出題されます。
こちらの画面は「テストモード」と呼ばれる文章穴埋めスタイル。ディクテーションの練習になります。
<教員用>
教員は自身の学校のクラスアカウント、生徒アカウントを自由に作成することができ、各生徒の学習進捗をダッシュボードで把握・管理することができます。
生徒ごとに「何のユニットをやったか」「WPMはどれくらいか」などが把握でき、特定の英単語で3回以上ミスが続くと「苦手な単語」として表示されるようになっています。
この機能があるので、例えば「明日までにUnit3のゲームを1回ずつやってきてね~!」と課題を出される先生方も多くいらっしゃいます。宿題を時間をかけて考えて、データを作って、印刷して……面倒な過程とはオサラバ。
この管理画面もアップデートしていく予定ですので、お楽しみに!
TypeGOの導入事例
TypeGOが公教育向けにピボットしたのが2024年夏で、システムは9月末に公開でした。そこから2024年11月現在、全国25都道府県、60校、生徒数にして7,000名以上にご利用いただいています。
セミナーでは導入校の先生方にお声をいただきました。
福井県坂井市立三国中学校|英語教員がちサロン運営者 江澤隆輔先生
江澤先生:タイピングと言語学習は相性が良いのではと思っていたところ、TypeGOを共同開発する運びとなり、9月末の公開後に早速導入しました。現在では100人ほどがTypeGOを使用しています。
どうしても英語は生徒によって成績差が激しく出てしまうもの。その穴を埋めるためにも、生徒が自宅で学習を継続できる「持ち帰り学習」に効果的だと思っています。
最近では教室に入れない生徒や、学校に来ることが難しい生徒も増加している中で、どんな生徒に対しても授業に無理やり参加させるのではなく「じゃあTypeGOのこれやっておいてね」と声をかけるだけで良い点も嬉しいです。
江澤先生:僕の生徒は基本的ん、授業開始2~3分前に到着するともうその前から着席してTypeGOを始めています。
先日単語テストをしたときは、とある生徒から「先生、テストのときキーボードだけ貸して」とお願いされました。スペルをキーボードの位置で記憶しているらしく、新しい発見でした。
神奈川県横浜創英中学・高等学校|山本崇雄副校長先生
同校の英語の授業では、生徒が「何を」「どのように」「どこで」学ぶかを自身で決める「自律学習」が行われており、学びの主体性を高めています。
山本先生:今回はプロダクト開発の視点で、生徒に「自分だったらTypeGOをどう改善するか」を考えながら取り組んでみることを伝えました。
生徒からは「間違えてもそのまま進むから試験みたいに気を遣わないのが良かった」「時間制限をもっと長くしてほしい」といった声がたくさん上がりました。
山本先生:あとは帰国生の子が日本語も学べるからいいと言っていました。毎回の授業で少しずつ使わせようと思っています。
北海道上川町 大雪かみかわヌクモ|館長 松井丈夫(たけっちょ)さん
ヌクモは、北海道のほぼ中央に位置する大雪山連峰の麓にある上川町の未来型公民館です。地域全体でデジタルを手段としてwell-being事業(越境・デジタル・グローバル)の展開を目指しており、子どもたちが遊んだり、プログラミングを楽しく学んだりする人気施設となっています。
たけっちょさん:自分の母校である千歳科学技術大学のe-Learningと併せた学習塾「灯台塾」を10月からスモールスタートする際に、TypeGOを導入させていただきました。上川町の子どもの個々の発達状況に応じた学習支援をする新たな第一歩として活用していきます。
鹿児島県 大島郡 I先生
I先生:中学校に入ると、慣れ親しんだ単語や文法のつづりまでを書くようになります。1日に20単語ほどを学習しなければならなくなり、宿題で出さないと網羅できておらず、書くことに苦手意識がある生徒居残りをさせたり、もうこちら側が諦めたりしないといけない現状でした。
TypeGOの授業開始前は、
「はい着席してー!!!」
……と5分間続けた後にやっと授業を始められる始末でしたが、TypeGOを導入してから、全く英語に興味のない生徒が「授業前から着席している」状態になり、働き方改革の面でも手応えを感じています。
またタイピングによって指でキーボードの位置を記憶しているのか、中学1年生が全員、TypeGO導入後にlanguageのスペルを覚えられていたのは驚きでした。
千葉県 富里市 K先生
2分前着席、2分前学習という取り組みをしており、授業のはじめはTypeGOを使用しています。挨拶も飛ばしてチャイムが鳴っても続けています。その日の英語の授業に集中できる様にする為です。車で言う暖気運転の様な感じで、スムーズに授業に入れる様にと始めました。
生徒たちはとても楽しく集中して取り組んでいます。星5になる事を目指して、時に届かなかった場合はとても悔しそうに何度もチャレンジしています。
その他の先生方からのコメント
今後について
今は「AI時代」と言われていますが、今の子どもたちは大人よりもずっと「アウトプットの効率化」が求められる時代だと思っています。モバイルでもパソコンでも「キーボードを通した発信」は要で、「ICTわかりません」は通用しない時代になってきます。
そうした時流で、学校教育における子どもたちの教育に世間が期待しすぎていることもあり、それが先生たちへの大きなプレッシャー・負担に繋がっていると思っているんです。そのため、どうにかして子だちたちも楽しみながらICT武装ができて、教える側に負担がない方法はないかとTypeGOを開発しています。
TypeGOが教科書準拠のタイピングゲームという現行システムから今後発展を遂げていった際、どんな先生でも、子どもたちにさまざまな人生の選択肢を与えて導いてあげられる世界にしていきたいです。
まとめ
今回のセミナーではアーカイブを含めて35名の方々にご参加いただき、さっそく導入のお申込みをしていただいた先生方もいらっしゃいました。
今回のレポートを機に、「TypeGO、ちょっと気になるな……??」と少しでも思っていただけたら幸いです。