『響け!ユーフォニアム』3期10話感想 響け、叫べ、真っすぐに
神回!!
久美子らしい、これ以上ない結論だったと、個人的には思います…!!
9話の感想ブログ
〇か×かで済む問題であれば簡単ですが、音楽や人間関係、感情は答えのないものです。
これまでの2年間、絶対的なものになっていた「実力主義」という基準は、全体的なレベルの向上から判断が難しくなっていく中、滝先生の判断基準が明確になっていない現状と、麗奈の厳しい指導、ぶれない姿勢から部内の空気が悪化。
麗奈とは対照的な久美子や塚本が精神的な柱になってはいるものの、2回目のオーディションから、中でもソリが黒江真由に変わった事で、部内の疑念は大きくなっていく。
麗奈の「奏者としての正しさ」も
塚本の「まず人として向き合うべき」という姿勢も
間を取り持とうとする久美子も
結局誰も間違ってない、間違ってないからこそ難しい。
これが最短ルートなのは間違いないですが
これもまた正しい。
答えのない音楽で誰もが納得出来る基準というのはきっと存在しない。だからこそ滝先生という絶対的な基準をぶらしてはいけないという麗奈。
しかしそれでは何も解決しません。
どこへ向かっているのか分からない、全国に行けないかもしれない、そんな不安を抱えてる言葉。
このままでは気持ちが、演奏がバラバラになってしまう。
でも、久美子は冒頭にブレないものを見つけてます。
目指すべき場所は
全国大会金賞
じゃあどうするべきなのか。
複数の正しさがぶつかる中で、矛盾を孕んだ言葉ほど口に出せないものはありません。
そういう時は極端な答えにばかり目が行ってしまいがちで。
感情の揺れをリアルに描いてるこの作品だからこそ、その難しさは段違いに伝わります。
でも、だからこそ、久美子の想いはあすか先輩届いた。
だから叫んだ、思ってる事を正直に、そのまま。
きっとみんな思ってる事は一緒
それによってすれ違いが生まれたかもしれない、矛盾を孕んでるかもしれない、でも
向かってる方向は同じだって、だからみんなで、大好きな北宇治で、全国金を取りたい、自分勝手に、子供みたいに、そう叫んだ。
矛盾した答えに納得がいかないのも人間ですが、矛盾を超えた感情に揺さぶられてしまうのも人間です。
これまでを思うと、久美子らしい、これ以上ない方法だったと、そう思います。
響け!ユーフォニアム、ある意味タイトル回収ですね。
そして恒例となったあの台詞が最後に入ったという事は!!全国への道が見えてきた気がします!!
残り2話か3話か、終わるのが寂しくなってきた時期ですが、今から来週が待ち遠しいです、凄く楽しみ!!
■以下小ネタ
・黒江真由について
「私、ソリ頑張るね。ここで終わっちゃったら、久美子ちゃんがソリを吹くチャンス無くなっちゃうもんね。」
久美子の言葉を聞いた後楽器を握ったシーンと合わせて、個人的に熱いとこでした。
一貫して自分の気持ちよりも部の空気を重視してた彼女です、気合いが入るには十分過ぎる言葉だったと思います。
相変わらず一言余計ではありますが(笑)それを含めて人間らしい良いキャラクターだなぁと。
全国まで演奏シーンをとっておかないといけないのでしょうがないのですが、彼女がソリを吹くシーンが観たかった…きっとこれまで以上に真剣な顔が見られたんじゃないかなって。
友達がずーっと黒江真由を嫌っていて、今回の台詞も性格が悪いと言っていましたが、私はそうとは思えません、彼女は常に空気に忠実で正しいだけ。
個人的に黒江真由は高坂麗奈と対をなすキャラクターだと思っています。
実力の正しさをぶつける麗奈と、空気の正しさをぶつける真由。
2人とも人の心が読めないとこまで一緒ですが、悪意がないのも一緒です。
私の性格の悪さの基準は悪意の有無なので、結論、黒江真由は性格が悪いわけではない!(なお人の心は読めない!)
・香織先輩について
マジエンジェル!!床掃除をしてる姿があまりにも嫁、感動すら覚えます…今私の心は吉川優子
「羨ましいなぁ、響いたんだよ」って台詞が本当に素晴らしくて、あれ最高じゃないですか!?
香織先輩が「あすかが思ってる私の1歩先を、本物の私が行きたい」って言ってた事、2人の関係を思うと、色んな意味で刺さってくる台詞です。
・あすか先輩について
アドバイスがあまりにも的確過ぎる、流石です。
滝先生も迷うんだって気づいている所が大学生らしいというか、大人っぽいというか、あすか先輩っぽいというか。
私もいい大人になってきて気づきましたが、子供の視点で見えていた、間違わない、完璧な大人は、ただその仮面を被ってるだけで本当は存在しない。
誰だって迷いながら答えを探ってる、その視点に気づかせてあげられたっていうのが、あすか先輩にしか出来ない、これまた彼女らしい答えで、最高でした。
にしても綺麗になりすぎてて!周りの男も黙ってないでしょうが、彼女に見合う男性は果たして何人いるのか…