アイスブレイクからインタビューへ自然に流す会話術
「フリーランスライターのブツクサひとり言」第33回
取材相手の緊張をほぐすアイスブレイクをして、そろそろインタビューの本題に入りたいとき、話題を切り替えるタイミングが掴みにくいという声をよく聞きます。
アイスブレイクから急に線を引いたように「さて……」と切り出してもかまいませんが、相手によっては「いよいよ始まるぞ」と構えてしまい、あらためて緊張する恐れがあります。
なるべくなら、アイスブレイクの流れを保ったまま本題に入るのが理想です。
難しく考える必要はありません。
たとえば相手が製造業ならば、応接室や会議室など来客用のスペースには、何かしら自社製品がサンプル的に置いてあるものです。
それらを指して「あれは御社で製造されたものですか」と水を向ければ、相手は「我が意を得たり」と説明を始めますから、その流れでインタビューに入ってしまえばいいのです。
あるいは飲食店だったら、インタビューのメインにしたいメニューをあらかじめSNSや口コミサイトでリサーチしておき、「そういえば、こちらの○○ってSNSでよく話題にあがっていますよね」と話題を振り、そのままインタビューに移行する方法もあります。
要するにアイスブレイはインタビューの誘導路であることを意識して、インタビューと切り離して考えないこと。そのほうが、自然にインタビューへ移行できます。
話の流れによっては、あらかじめ用意した質問項目の順序が入れ代わってしまうかもしれませんが、現場で飛び出した話題のほうが興味深いことはよくあります。せっかく作ったと思わず、質問項目はあくまで参考程度で構わないのです。