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もう、この部屋を出て行く理由がない[0.5の男/ドラマ感想]

古くなった実家を2世帯住宅に建て替えることにした立花家だが、ひきこもりの兄・雅治(松田龍平)の居住スペースが問題に。父・修(木場勝己)はこれを機に自立すればいいと言い、母・恵子(風吹ジュン)は無理をさせたくないと擁護する。一方、妹・沙織(臼田あさ美)は兄の部屋をなくして玄関を二つにしたいと自分勝手な主張を繰り出す。話し合いがまとまらない中、ハウスメーカーの川村(井之脇海)の説得によりなんとか「2.5世帯住宅」の建設に向けて歩み出す。

そうして始まった新生活。ゲームの世界ではカリスマとあがめられている雅治だが、妹には「家事を手伝え」、中学生になるお年頃のめい・恵麻(白鳥玉季)には「キモい」と言われ、仕事をしていない“0.5”の存在に居場所はありそうになく……。

連続ドラマW 0.5の男 | オリジナルドラマ | WOWOW

「こども部屋おじさん」「こども部屋おばさん」という言葉が生まれるくらい実家暮らしの成人はお荷物というレッテルが貼られる。
それを「0.5」と名付けたのはなかなかに秀逸だ。タイトルを見て一気見。5話でさくっと見れるのはありがたい。

雅治はひきこもりだったが、住環境が変化することで今までのぬるま湯の生活が徐々に変化していく。
それは緩やかな変化だったが、昼夜逆転の生活だった人間が働くところまで社会復帰する姿はとても応援したくなった。

このドラマの印象的な部分は雅治が過去に向き合ったり、自分を変えようと努力しないところだった。
自然と人と関わる事で「やらなければならないこと」や「相手のためにやってあげたい」ことをこなす事で社会と繋がっていく。

雅治がどんな引きこもりだったのか、両親とどんな関係だったのか、断片的にしか語られないが、母親の付箋をとっておく姿や父親とご飯を食べれなかった理由を想像すると家族ではどうにもならないところまで来ていたのかもしれないと思うと切ない。

日本中でこんな家族はきっとたくさんいるだろう。


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