「推し」の卒業に際して書き記し
生きた心地がしないというには空腹だし、脱力感というには拳はにぎられている。誰かと話したくてたまらないし、1人で抱え込んでいたくもなる。いてもたってもいられないけど、じっくり立ち止まってもいたい。
感覚を思いだすような2025年初業務を終えて、一息つき。なんとなく、これは書き記しておいたほうがいいなと、今、筆を取った。
本日2024年1月6日、日向坂46の高瀬愛奈さんがグループから卒業することが発表された。好きである対象を「推し」と呼ばれるのが一般的な名称な現代で、わたしは元来の意味合いとして高瀬愛奈を「推し」としている。彼女に対する感情は「応援したい」だった。
これまで芸能人に特別な感覚をおぼえることは何度もあった。しかしそのどれも「推し」だと思ったひとは1人もいなかった。水樹奈々はわたしの生きる規範、尊敬の対象であるので「わたしは水樹奈々のファンです。」とは言っても「水樹奈々はわたしの推しです。」とは言えない。
ならばアイドル。かつて成瀬瑛美というアイドルがいた。でんぱ組.incの黄色担当、えいたそ。太陽よりも眩しいアイドル、だから「推し」ではない。
ラブライブ!シリーズにはたくさんの好きなスクールアイドルがいる。いちばん好きなのは黒澤ダイヤ。誇り高き彼女は「推し」ではない。あくまでわたしとは別世界のひとであり、なによりも彼女には小宮有紗というこれまた誇り高きパートナーがいる。
つまりわたしのこれまでの人生の中で、わたしが元気を分けてもらう人はいても、応援したい(しなくてはいけない)人はいなかった。
そんな折に出会った高瀬愛奈。方法はわからないけど応援したいと思った。おそらく人生最初で最後の「推し」だ。卒業の知らせを聞いた時、うれしい気持ちもこみあげてきた。だって”卒業”とはある過程を修了することだから。
最後の日はこれから知らされるだろう。これからゆっくりと時間をかけて気持ちを整理してゆきたい。彼女が歩んだアイドル人生と、わたしができた応援と。
(おしまい)