ひなあいヒットキャンペーンでばらまく日向坂46と、すこしの伸びしろ
今回も『日向坂で会いましょう』おもしろかったですね。
今回は恒例のヒットキャンペーン企画。4月19日水曜日に発売する日向坂46 9thシングル『One choice』のキャンペーンのためTikTokを活用して、動画100本を作成して”バズ”を狙っていく。いってしまえばヒット祈願系企画はコアユーザーへの見せる努力であり、購買意欲を搔き立てようとするというよりかは購買を確かなものにしようと働きかける目的の方が強かった。それが2020年2月に行われた【4thシングルヒットキャンペーン 一歩踏み出せない女子高生を元気付けましょう!】でヒット祈願からヒットキャンペーンへ方針が変更されてから徐々に世間を意識するようになり、ようやくそれらしい、世間への広がりをつよく意識したキャンペーンらしいキャンペーン企画が立ち上がった。
放送はテレビ番組でSNS動画の制作過程に密着するというなんとも不思議な構造だったし、地味な動画撮影に加えて動画は編集が終了次第アップロードされていくのでこれといったオチはなく「なんか気ついたら終わってた」と思ってしまったくらいテレビ番組にしてはなんともいえない閉幕だった。なにも起きようがないのだから仕方ないし、あの内容にしては楽しく観れたほうだ。
とはいえ企画自体はこれまでのヒットキャンペーン企画のなかでも特筆すべき、日向坂46の性格と特長を生かせた内容だった。今作センター・丹生明里さんと、影山優佳さん、上村ひなのさんが中心となって、今どきの女の子32名が出しあったアイデア、ショート動画作成という時流に乗った高い効果が見込める手法、1、2、3期生が手分けして完成品100本分の動画を撮影するという効率的かつみんな総出で作ってる感のある作成過程(結果206本の素材が撮れた)、大所帯のグループだから実現できるマンパワーのフル活用だった。クリエイティブな自己発信に意欲的なメンバーが終始楽しそうだった。
番組撮影日以外にも動画は撮るスケジュールだったので、表題曲に参加してないため今回欠席だった4期生が所々でこのキャンペーン企画に参加できているところも日向坂46のあろうとしてる姿を感じられてよかった。
ひとつ気づいた改良点を挙げると、施策として1人くらいショート動画に精通した人物を招いてもよかったのではないかとおもった。正直ポカっこいい動画は制作時間に対して普遍的な動画ができあがってしまう費用対効果が薄いテーマだったと思うので、会議段階で弾くなりアレンジを加えたりもうすこし知恵を働かせてよかった。
動画編集を丹生ちゃんが担当したり、動画作成・編集などの工程を日向坂メンバーがセルフプロデュースする手作り感を演出したかったのだろうけど、チアダンスのときの柳下容子さんやTokyo Girlsの皆さんにあたるようなアイデアや動画のブラッシュアップや撮り方のコツなどノウハウをもったアドバイザーがいたらもっとスムーズに良くなったんじゃないかなとおもった。呼ばなかったのか、呼べなかったのか。TikTokerはおっぱい放り出してエロいダンス踊る人たち、とでも思っているのかもしれない。
今更こういうのもイジワルな話だが、せっかく良いヒットキャンペーン企画が立ち上がったのにも関わらず肝心の『One Choice』の振付がキャッチーではない。ドレミダンスやしかたんポーズがあるじゃないか。これらのキャッチーでマネしやすい振付は間違いなくショート動画を意識して作られてた振付なはずだ。なのにも関わらずなぜ今回それをしなかったのか。このあたりの運営側の意思疎通の難やプロモーションに対する統一感のなさは気になった。運営構造的に難しい話かもしれないが、『日向坂で会いましょう』の企画から逆算してクリエイトを考えてもいいはずだ。
テレビ番組としてのバランスが非常に難しかった回ではあったが、企画自体はとても良い建付けだったしまだまだ改善の余地がたくさんあるのでいつかまた改めてチャレンジしてほしい企画だったとわたしは考えている。みんながつくった動画がバズりますように、日向坂46 9thシングル『One choice』がヒットしますように。
おしまい。
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