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その足を一歩、『日向坂で会いましょう』へ

今回も『日向坂で会いましょう』おもしろかったですね。

今回の企画はかつて実施されたニブモネアのリメイク版、【ゲラメン極限バトル!ザ・ゲラモネア】。前回の対象者だった丹生明里に、正源司陽子、濱岸ひよりを追加した3名をメンバーがさまざまな方式で笑わせていく。これまで数々の企画がリメイクされてきたが、ついにわたしがこの番組と出会ったきっかけになった企画がリメイクされたので感慨深かった。

企画内容は以前と同じく、イロモネアをオマージュしたショートコントやモノマネやサイレントに挑戦していく。ここ最近では珍しいくらい高いハードルが課された企画だったのだが、それゆえにメンバーのネタが粗っぽかったところが個人的に心をつかまれた。全部が全部面白いかったかと言われれば決してそうではないのだが、あれはかつて【真剣10代悩み場】で若林に指摘された「もっと粗くていい」を克服するやけっぱちのようにわたしの目には映った

歴代の面々のような、『日向坂で会いましょう』に何かをもたらしてくれる人物は、2024年になってから宮地すみれが半ばこじあけられるように頭角を現してはいたが、たとえば富田鈴花や森本茉莉のように、自ら勇み出る者というのはなかなか現れなかった。

しかし今回、平岡海月が二歩目を踏み出せる権利を得た気がした。そう思ったのはわたしだけじゃないはずだ。わたしたち視聴者もそうだが、本人もなにか手応えを感じていたにちがいない。

そうおもったのは、ショートジャンガでビートたけしのものまねが思いがけずウケたその後。5thステージでモノマネに挑んだ時、平岡海月はビートたけしでネタを被せてきた彼女はあそこで一度掴んだ流れをもう片方の手で引き寄せたのだ

だからわたしの中で今回の平岡海月は印象に残っているし、この勝負勘がはたらいたなら、彼女は”次”を引き寄せることだってできるはずだ。それはそうとして、ビートを刻むビートたけし、ふつうにめちゃくちゃ笑った

さらに今回もう1人、忘れてはいけない人物がいる。そう、高瀬愛奈だ。

最初の最初、1番目の西軍が1stステージに選択したのは「サイレント」だった。最難関からスタートを切った彼女たちをみて、視聴者側が温まってもないうちにスベりでもしたら放送が終わるまで引きずる致命傷を負いかねない不安がよぎった。おいおい大丈夫かよ、と。

本家でも鬼門とされる「サイレント」に予想通り難航を極めていたところに、それは現れた。

わたしは目を疑った。おい、今のが見えなかったのか。たった今、仲間たちが無言の前に次々と斃れていくのを目の前で見たはずだ。なのに、彼女はその死屍累々の間から、威風堂々と現れた

「まなふぃさんが出てくると思わなかった」

濱岸ひよりは云うわたしもそう思ってた。ここ最近の『日向坂で会いましょう』で高瀬愛奈が映ってる時間はほぼなく、今日はどこかで見れたらいいなと毎週思っては今日もダメだったを繰り返していた。それが今回あんな形で見られたというのはファン冥利に尽きるばかりだ。

もちろん自信があって出てきたわけではないとおもうが、歩いてもブレない体幹は堂々として見えたし、肩関節や股関節で手足を振る歩き方のわずかな不自然さが、人形を動かしたときの違和感があっておもしろかった。

今回はひさしぶりにヒーローが参上した回だった。今回活躍したメンバーは文字通り、窮地を救った。ヒーローになれずとも、”答え”を求めて泥をさらったメンバーもまた、ドブネズミのようにうつくしかった。今後いつか花開く時を迎えるメンバーから目が離せない。特にここを足掛かりに跳ねていくかもしれない平岡海月には、これから期待をしてしまう。おもしろかったです。

おしまい。

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