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『日向坂で会いましょう』は魔法をかける、「それは盛ってんで!」と

今回も『日向坂で会いましょう』おもしろかったですね。

とうとう…遂に…待ちに待った【それ盛ってんで!】が帰ってきた。今回は2021年ぶりとなる【第5回 トークの盛りすぎ注意!高瀬愛奈のそれ盛ってんで!】。今回で第5回を数えるほどの言わずと知れた大人気企画の復活である。

————————————長かった

2021年『日向坂で会いましょう』ベスト企画オブザイヤー(そんなものはない)を受賞した2021年以降、ぱったりと姿を潜めていたこの企画。フラッシュバックするあの快楽に取り乱したりもした。しかしそれもこれも今日すべてが報われる

この企画についての感覚を取り戻すために過去に書いた記事を一通り読み返してみたのだが、手前味噌ながら良く書けているメンバーや企画内容などに焦点を当てて見つけた気付きなど、よく観察していたことが伝わってきた。この記事の最後に掲載するのでお時間があるときに読んでみてください。

あれから月日は2年流れて番組を見る目線も少し変わったようで、今のわたしが見て良かったと思ったところはこの企画の空気感であった。関係性の情緒とでも言おうか。

今回のあるある対象者は山口陽世と山下葉留花の2名。関係性の情緒を特に感じたのは山口陽世パートの時だった。タレコミによって彼女が先輩にちょっとナメた態度を取ってるところや後輩には甘えん坊なところが明かされた。特にタピオカドリンクを飲む小坂菜緒をみた山口陽世が「え?イチゴミルクですか~」と小ばかにしたという話にはえも言われぬ気持ちになった。

本稿では、このえも言われぬ気持ちの解像度を上げつつ『日向坂で会いましょう』と日向坂46との関係性を見つめ、今回の感想としたい。

まず前段、この【それ盛ってんで!】企画、ひいては『日向坂で会いましょう』にも言えるところだが、「ホントみたいなウソ」と「ウソみたいなホント」が同居しているため、この企画の時間において語られることはすべてが曖昧である。究極、この時間に限っては全部ウソでも許されるし、許されてよいし、許されるべきだ。この環境が整っているおかげで、メンバーはバラエティという専門外の現場においても思いきった行動や”演出”を施すことができる

それを視聴者であるわたしたちは承知の上で、メンバーのノンフィクションに迫りながらも、盛り(=フィクション)を嗅ぎ分けながらエピソードトークの”演出”が生み出すリアリティを楽しんでいる節がある。

この厚い信頼関係によってバラエティの約定をほぼ完璧に成立させているのがこの番組の凄いところだ。『日向坂で会いましょう』は番組、日向坂メンバー、観客の三角関係が完全に成立して、エンターテイメントの理想像を象っている

わたしが思うに盛るという演出行為がもたらしてくれる無責任は日向坂46メンバーをアイドルという職責をも一時的に解放している気がする

人を魅了してしまうアイドルには否応なしに相応の責任が付きまとってしまうのが世の常である。それは大きなところで言えば恋愛禁止や紅白歌合戦出場など、小さいところでは自撮りやブログ更新などのファンサービスなど、魅了された人間の期待や責任を理不尽にも背負わされてしまう。

偶像を押し付けられてしまうアイドルであれば殊更に負荷がかかってることであろう。アイドルとして完璧な外面を求められたと思えば私生活などの素面を知りたがられたり、なんと多忙なことだろうといつも心配になる。

この【それは盛ってんで!】企画はそうした大小様々な重荷から一時的に解放して、アイドルの偶像を暴露したり装飾したりして遊戯する日向坂46の姿を見ることができる。真実の暴露をしながらも虚偽の肯定をしてくれる「それは盛ってんで!」は12時の時計であり「Bibbidi-Bobbidi-Boo」でもあるのだ。

和気藹々とお互いの人間性やウソをおもしろがる彼女たちの空気感はいつまでも見ていたくなる。毎週【それ盛ってんで!】企画でいいと思ってしまうくらい。それほどまでにこの企画が見せるメンバーの姿はアイドルという色眼鏡から外された彼女らがもつ本来の愛らしさを感じるからだ

『日向坂で会いましょう』が日向坂46コンテンツの中で最もメンバーの自由奔放を叶える場所であり、彼女たちがもつ本来の魅力的な部分を見られる場所でもある。この番組きっかけに日向坂46のファンになった人間であるわたしたちが証明している。これからもこの番組を毎週楽しみにしていきたい。

おしまい。


先述の通り、以下に【それは盛ってんで!】感想アーカイブをまとめておきます。本稿と合わせてご覧いただけると、よりこの企画を見る手助けになれるはずです。ぜひ。

・第1回 高本彩花、高瀬愛奈ペア

・第2回 潮紗理菜、丹生明里ペア

・第3回 渡邉美穂、佐々木美玲ペア

・第4回 濱岸ひより、上村ひなのペア


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