『ヒーロー』になる夢が実現になった話[想像していなかった未来]
子供のころに憧れたもの。
それは『ヒーロー』だ。
街を破壊する怪獣たちや侵略しようとする宇宙人から、人間と地球を守る正義のヒーロー。『ウルトラマン』に憧れていた。
その想いはとてつもなく、母親に「ごめんなさい…ボクはウルトラマンなの。だから、M78星雲(ウルトラマンたちの故郷)に帰らなきゃなの…」なんて泣きながら真面目に告白してくれた。
なんて大人になって聞かされた時にはチョット恥ずかしくなった。
だが、『ウルトラマン』への憧れは子供の時に終わることは無い。
ずっと、ウルトラマンという『ヒーロー』に憧れを持っている。
年齢を重ねていく過程で沢山のヒーローを知り、自身もヒーローになれるよう努力した。
力を手に入れたくて入った剣道では、埼玉の盆地で夏は暑く冬は極寒という過酷な地ながらも頑張って続けた。おかげで高校3年間だけの剣道で2段まで取得できた。
ヒーローならば行動できる足も必要と思い、車の免許とは別にバイクの免許も取得した。固定概念になるがヒーローたるものバイクくらいは乗れるようにならねばならない。という思いがあったのだ。
しかし、それらを習得したとて憧れの『ヒーロー』になることはなかった。
目指してみたかった特撮美術の世界には足も踏み入れず、ただ就職し時に流されるまま仕事をこなす日々。
何かをこなすわけでもなく、何かを助けるわけでもなく。
多忙の日々で会社に何連泊もするようなことが続く仕事を、耐えた。
ある日。ふと思い立ち『サバイバルゲーム』なるものを経験してみようと思った。何かを変えたい。何か未体験なことをやってみたかった。
そんな気持ちから、埼玉のサバイバルゲームフィールドにソロで参加した。
初めてのことづくし、一緒にゲームをプレイした仲間たちも優しい方たち。
そんな楽しいサバイバルゲームにドップリハマっていた。
サバイバルゲームを趣味で嗜んで数年。奇抜な衣装でサバイバルゲームを楽しむ友人が出来た。
ランボーやマッドマックスを足して2で割ったようなイカツい衣装を着こんでサバイバルゲームを楽しむ友人に、私も憧れた。
私も皆とは違う、オンリーワンの衣装で戦いたい。
そう思って衣装制作を始めた。何かオンリーワンになる要素を入れたい…と、考えて思いついたのが『ヒーロー』だ。次いで西洋甲冑のような無骨さも思いついた。
それらを足して2で割った衣装が今の姿だ。
衣装を着こんでサバイバルゲームを楽しむ過程で友人が増え、『創作キャラクター』としての聞かれることが増えた。イベントで参加するときに聞かれる名前や特徴などの事だ。
そこで生み出したのが『正義のヒーロー。遊戯騎士リッタームート』という名前。ここで初めて正義のヒーローを名乗った。
軽い気持ちで名乗り始めた。
だが、今になって『遊戯騎士リッタームート』としての活動も増え、子供たちと触れ合って遊ぶことも増えた。
友人からのお誘いでヒーローショーもできた。
初めてのヒーローショーで子供からヒーローネームを叫んでもらえた。
本当に嬉しかった。
そして何より、『遊戯騎士リッタームート』の姿で子供たちに触れ合うことで、子供たちが笑顔になってく。楽しそうにキャッキャと遊んでくれる。
その姿を見ることが出来て、本当に満足な気持ちになった。
「あ、今イチバンヒーローしてる。子供のころの憧れをできている。」
そう、心に思うことが増えた。
誰かの窮地を救うでもなく、誰かを倒すわけでもない。
でも、子供たちを笑顔にできたのだ。
ヒーローはこうあるべき。という概念とは違うかもしれない。
けれど、私にとってのヒーローは『子供たちの笑顔を作り出せる』ことだと思った。
だから私は、これからも子供たちに笑顔を与えていく。
ヒーローとして。遊戯騎士リッタームートとして。