2024年J1リーグ第1節 湘南ベルマーレvs川崎フロンターレ@レモンガススタジアム平塚 ~マッチレビュー~
はじめに
おはようございます、こんにちは、こんばんは。
はじめまして、オザッキーチェーンです。
マッチレビューに入る前に簡単に自己紹介。来月から大学4年生になる、絶賛、就活中の大学生です。先月、バイト先が火災に見舞われ、それに伴いシフトが激減。就活のこと以外に割ける時間が大幅に増えた他、今後のためにも記録に残しておこうかなと思った次第です。2011年、J2第12節ホームのサガン鳥栖戦(永木亮太が決めて、1-0で勝利)が私の湘南ベルマーレ人生の始まり。てな感じでもう今年で応援し始めて13年目のシーズン。人生の半分以上、ベルマーレと一緒に生活してます。私のこれまでのベルマーレ史や詳しい自己紹介や趣味についてはまたの機会にやるとして。拙い文章ではありますがどうか最後まで見ていただけると幸いです。
振り返り
真冬の寒さを肌では感じながらも、スタジアム周りにはきれいな河津桜が咲き誇り、どこか春の訪れを感じさせてくれる中で迎える2024シーズン開幕。アウェイの川崎はACL決勝トーナメントの2試合とスーパーカップ1試合の計3試合を戦い、前の試合から中3日で迎えたゲーム。スタメンは丸山から大南のみ変更、その他10人は連戦だ。
一方でホームの湘南は浮嶋体制時から採用してきた3-5-2から4-4-2に変更してゲームに臨む。ジュビロ時代にともに戦ったルキアンと鈴木雄斗の新加入組を揃ってスタメンに抜擢。アジアカップの影響で指宿キャンプに参加できなかったソンボムグンではなく富居が開幕スタメンに選ばれた。
前半~今シーズンの山口湘南が見据える先~
開始直後、両者、落ち着かない時間が続く中、最初にチャンスをつかんだのはホームの湘南。後ろからビルドアップの体制に入った川崎に対して、2トップの鈴木章斗とルキアンでけん制。チョンソンリョンから高井にボールが渡った瞬間、ルキアンが中央を切りながら、プレスのスイッチを入れる。プレッシャーをかけられた高井は右SBの佐々木に渡すも、平岡の猛プレスに合う。湘南は川崎陣営をサイドに追い込むことに成功し、見事ボール奪取。杉岡が素早く、前線のルキアンにつけて高井のファールを誘った。
獲得したフリーキックを蹴るのは茨田。このフリーキックに対して湘南のルキアンとキムミンテは走り込む構えを見せている中、川崎はゾーンで守ることを選択。湘南のターゲットとしていたルキアンとキムミンテまでは届かず、手前の高井にクリアされるも、そのボールはペナルティエリア手前でこぼれ球を狙っていた池田の元に。迷わず振り抜いたボールはチョンソンリョンの右手をかすめながらゴール左下に吸い込まれていく。湘南が開始7分と早い時間帯に先制する。偶然生まれたゴールに思われがちだが、このゴールは決して偶然なんかではない。川崎の今シーズンの戦いを振り返ってみると見えてくる。直近のACL(AFCチャンピオンズリーグ)ラウンド16の山東泰山との第2戦の69分のシーン。逆サイドのほぼ同じポイントでのフリーキックの際にもこのシーンと同様、ゾーンで守っていた。川崎の失点に繋がりはしなかったが、恐らくコーチ陣が川崎を分析していく中で気づき、選手たちに共有したのでしょう。スカウティングの賜物。
湘南としてはとても良い時間帯に決めたので試合の主導権を握り、追加点を狙って行きたかったが、ボールを奪っても良い形で前進できず。奪っては川崎に奪われ、握られる時間が多くなるものの川崎自身も上手く攻撃の形を見出せず。川崎のフリーキックを富居がスーパーセーブでなんとか凌いではいたものの、不用意な対応から川崎の脇坂にスーペルゴラッソで前半のうちに追いつかれる展開に。
遡ってみると湘南のゴールキックに競り合いで負け、不用意な対応から川崎のショートカウンターに発展。キムミンテがポジションを上げていたため、スピードアップしてきたエリソンに対しては茨田が対応に入る。そこでもう1人のボランチの田中は何が何でも中央のスペースを埋める必要がある。しかし、田中は最終ラインに吸収されてしまったためシュートコースが大きく空いてしまった。こんなシュートを打たれてしまえばキーパーの富居としては成す術なし。田中に関しては昨シーズンの3-5-2の際のアンカーの際もこのように中央のスペースを空けてしまう場面がいくつかあった。フォーメーションが変わったとは言え、ボランチとして中央のスペースを埋めることはやらなくてならないことである。これからのことを考えると改善は求められる。
タイスコアとなり、川崎が保持する時間が増え、湘南は我慢の時間帯に。両者、決定的とも言えるチャンスはなく、前半を1-1で終了する。
後半~守から攻へ 課題が浮き彫りに~
開始とともに川崎がゴール前まで運ぶもシュートは枠の外。前半の川崎が同点に追いつかれて以降の展開と同様、川崎がボールを握る形に。インサイドハーフの脇坂と山本がライン間に顔を出してくる場面が多くなる。また、川崎がボールを握る形とは言ったものの、前半とは違ってアンカーの橘田がCBの間に降りてきて、大南、橘田、高井のスリーラインを形成。SBが高い位置(特に右SBの佐々木が)を取り、シンプルに前線へのロングボールを供給する場面も増えてきた。湘南サイドとしては必死に守るのが精一杯となってしまった。
両者、譲らず、決め手に欠く拮抗した展開が続くかと思われていた中、均衡を破ったのはアウェイ川崎であった。前線の高い位置にポジションを取っていた佐々木に対してチョンソンリョンが大きなロングボールでプレス回避を試みる。杉岡との勝負に競り勝ち、家長へ繋ごうとするもボールは伸び、キムミンテが先に体を入れ、カバーに成功。体勢が悪く、家長のプレスも来ていたため、富居へバックパスしたものの、トラップが足元に入り過ぎていたかつ、エリソンの猛プレスに焦り、簡単にボールを奪われ、エリソンにJリーグ初ゴールを決められ、逆転を許す。
この失点も前半の脇坂のゴールと同様、ミスからの失点と言える。しかしポジティブに捉えれば、川崎に崩されたというではないためこれからの取り組み方次第では改善できる可能性は大いにある。技術的な面(技術的能力)でのアプローチはもちろん必要ではあるが、私の個人的な見解としては局面での状況判断、つまり意識な面(意識的能力)での埋め込みが重要だと思う。ミスだったとは言え、相手に判断する間も与えない速度のプレスを敢行し、引っ張られながらも倒れずゴールを決めたエリソンには素直に拍手を送りたいところ。(でもあの場面で倒れていたら、間違いなくDOGSOで退場だっただろうな…)
逆転を許し、徐々に試合のペースが川崎に傾き始めた中で湘南は65分に鈴木章斗、茨田陽生に代わって阿部浩之、鈴木淳之介を投入。直後の70分、自陣でボールを奪取し、淳之介→田中→池田→雄斗と繋ぎ、雄斗が前線のルキアンへロングフィード。ルキアンが上手く体を使ってキープし、田中へパス。田中に対してボールを呼び込んだ淳之介が受け、素早く前を向き、迷わず右足を振り切り、阿部に当たって軌道が変わりゴールへと吸い込まれていき、交代した選手がすぐさま結果を残した同点ゴールかと思われたが、ここでVARが介入。阿部の位置がオフサイドの判定、ノーゴールとなり、湘南としては再び追いかける展開に。
流れを引き寄せたい湘南であったが、鈴木雄斗のハンドによるあわやPKの判定(VARレコメンド→オンフィールドレビューによりPKなし)の流れで脇坂のクロスバー直撃のシュートを打たれるなど川崎ペースで進み、終了のホイッスルが刻一刻と迫ってくる。湘南は大岩一貴に代わってディサロ燦シルヴァーノを投入し、奥野をCBにするなど交代カードを使い、配置を変え、懸命に同点ゴールを狙いに行くも、ノーゴールと判定されたシュート以上のチャンスは作れず。ホーム開幕戦という今季を占う意味でも、非常に大事な一戦に逆転負けを喫す。2024年シーズンは黒星でスタートすることとなった。
あとがき
非常に残念な形での幕開けとなったが、かといって悲観する内容だったかと言われるとそうではないと思う。昨シーズン、リードを許す展開で度々登場した急造4-4-2とは違い、キャンプの中でチームとしての狙いを明確にしたことが伺える試合ではあった。守備面でのアップデートは見ることができた一方で、攻撃面での課題はまだ山積みである。キャンプ中に一つでも攻撃の形となるものを落とし込めては欲しかったが、恐らくまずは守備からという考えの元、スタートしたと思うのでブラッシュアップを重ねて成熟させていくことが求められる。また、これまでの山口湘南は理想を追い続けた結果、思うような成果が出せていなかった中、今シーズンはその理想を捨て、現実路線を辿っていくのかとも見てとれた。非常に難しい決断ではあったと思うが、私個人の意見としてはこれまでのシーズンとは違って期待感はある。敗れはしたものの、チームとして崩された失点ではなく、個人のミスに起因する2失点ではあったため下を向く必要はない。
さて、今シーズンはどのような形でシーズンを終えられるのか。
様々な感情に揺さぶられるJリーグが今年も楽しみだ。
試合情報
結果
J1 第1節 2/24(土)15:00 レモンガススタジアム平塚 観客数:12,987人
湘南ベルマーレvs川崎フロンターレ
1-2
7分池田 昌生(湘南)
24分脇坂 泰斗(川崎)
56分エリソン(川崎)
主審:小屋幸栄 副審:大塚晴弘、船橋昭次 第4審判:松澤慶和
VAR:岡部拓人 AVAR:五十嵐泰之
試合のスタッツ
試合後の両チームのコメント
湘南:https://www.bellmare.co.jp/332784
川崎:https://www.frontale.co.jp/goto_game/2024/j_league1/01.html
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