2024年J1リーグ第2節 京都サンガF.C.vs湘南ベルマーレ@サンガスタジアム by KYOCERA ~マッチレビュー~
おはようございます、こんにちは、こんばんは。
オザッキー・チェーンです。
初めてのブログを読んでくださった方、ありがとうございました。
「ブログをやろう!」と思い立ったのが開幕戦から大分時間が経っていたため、ペースが少々遅れてしまっていますが第5節セレッソ大阪の試合の前までには福岡戦、浦和戦の2戦は公開する予定ですのでお待ちください!
‣振り返り
前節と違って、気温も一桁台まで落ち込み、雪も舞い、まだ冬の寒さが残っている中で行われたこの一戦。両者ともに大事な開幕戦を勝利で飾ることは出来ず、何としても勝利が欲しいところ。互いに前節からのスタータティングメンバーの変更はなし。京都は過去に湘南に在籍した金子大毅、鈴木冬一、山﨑凌吾らがメンバー入り、そしてその京都を率いるのは曺貴裁監督。
一方の湘南はスタータティングイレブンに変更はなかったものの、大野和成、福田翔生が今季初のメンバー入り。これは京都対策の1つなのかもしれない。湘南としては絶対に負けられない戦いである。
・前半~湘南を遥かに下回る京都の拙さ~
両者入りの5分は落ち着かない状態が続いていたが、最初に決定機を作ったのは8分の京都。杉岡のファーサイドに流れたクロスボールを鈴木冬一が奪取。前線はそのまま持ち運びトゥーリオへパス、その後、ペナルティーエリア内で混戦となり再びトゥーリオの元へボールがこぼれ上手くヒールで後方にパス。走り込んできた福田心之助がシュートを放つも富居の落ち着いたセーブでことなきを得る。
湘南は田中のスルーパスに相手の左サイドバックの背後をとった鈴木雄斗が反応してクロスを上げるなど何度かチャンスを構築するも決定打までは行かず、迎えた15分。杉岡の右からのコーナーキックはクソンユンが弾くも、そのこぼれ球の先には開幕戦でクロスバー直撃のダイレクトボレーを放った田中の元へ。落ち着いて当てることを意識したボールはゴール手前でバウンドし、ゴール右隅に吸い込まれていく。チャンスをなかなか作れていなかった湘南がとてもいい時間帯での先制に成功する。
先制を許した京都はショートパスでの前進を一旦諦め、前線の高さのある原やトゥーリオを目掛けたシンプルなロングボールを送る戦術に変更。京都陣地から湘南の裏を狙うロングボールに大岩が反応し跳ね返そうと試みるがそのボールをトゥーリオが回収し、駆け上がって来た福田心之助へパス。福田がペナルティエリア内の豊川を目掛けてクロスを上げ、豊川がタイミングをずらして、振り向きざまに放ったシュートに富居は触ることができず、ボールはポストに当たりゴールへと吸い込まれていく。戦術変更が功を奏した形で、京都は失点からたったの5分でタイスコアに戻した。
この失点で注目して欲しい場面は以下の通り。
大岩のクリアミスと捉える方もいるかもしれないが、個人的な見解としては田中がしっかりとポジションに戻れる位置でバランスを保ちながら攻撃に参加していれば防げた失点だと言える。前節の川崎戦の1失点目に似ているところがある。素晴らしい技術的能力に意識的能力も加われば間違いなく、田中が師と仰ぐリヴァプール所属の遠藤航に匹敵するほど、いやそれ以上の活躍が見込めるだけに正しいポジショニングであったり、ボールサイドにどうしても寄ってしまう癖はシーズン通して改善が求められる。
先制後のゲーム運びが前節の反省点であっただけに、悔やまれる失点だった。しかし、失点後に意気消沈してしまう昨年までの湘南とは違い、もう一度集中し、切り替えている印象を私は受けた。実際に、この直後の20分にチャンスを作ったのは湘南であった。
湘南が自陣でのボール奪取に成功し、組み立てを図る。京都はすぐさまボールサイドに4人の選手が密集し、圧力をかけて奪い、逆カウンターを狙う体制をとったが湘南の平岡と田中の2人で簡単にかわされた。実は似たようなシーンがこの試合の11分、京都陣地での杉岡のスローインから始まるところでも起きていたのだ。なぜ、このようなことが起きてしまったのか。その理由は簡単で上記の画像内にも記してある通り、京都のプレス、圧力が全くかかっていなかったからだ。京都の戦術の練度の低さが露呈したシーンと言える。湘南としては何としてでもゴールを決めて欲しかった場面ではあるが…
その後は湘南の鈴木章斗(24分)とルキアン(30分)、京都の原(27分)と福田心之助(40分)らが決定的なチャンスを作ったが、両ゴールキーパーの素晴らしいセーブもあり、試合は動かず同点のままハーフタイムへ。
・後半~これからの湘南に期待出来る試合運び~
京都は前半のチャンスを作った形の成功確率を上げるために、マルコトゥーリオに代えて、後半開始のピッチには長身の山﨑凌吾を投入。ロングボールを多用した攻撃をやって行くぞという姿勢がうかがえる。開始直後の50分、田中の京都の裏を狙ったアバウトなボールにルキアンと章斗で何とかシュートまで運ぶもクソンユンの好セーブにあい決定機を逃す。5分後の55分、これもまた京都の裏を狙った茨田のロングボールに鈴木章斗が丁寧に落としに平岡が右足でシュートを放つもこれは惜しくも枠の外。
この55分の一連の流れは京都のMFとDFの間、いわゆるバイタルエリアを上手く使った攻撃と言える。バイタルエリアとはDFとMFの間のスペースかつ得点になりやすい活動が起こる地帯のことである。鈴木章斗とルキアンの2トップが京都の最終ラインを押し下げる動きをしたことにより生まれたものである。一見、シンプルな攻撃にも見えるが、茨田、章斗、ルキアン、平岡らの共通の意図がうかがえるシーンだと私は思った。このように、点で見るのではなく線で見ることによってサッカーに対する価値観、楽しみ方、見方が変わってくるのかも?
その後、湘南としては68分、武田のインスイングのコーナーキックに原が合わせてあわや失点かと思われたが、富居の動きを川﨑がブロックしたとしてノーゴールの判定。続く69分、空中のアバウトなボールを山﨑が競り勝ち、原が持ち運びペナルティエリア左から枠内にシュートを放つも富居がセーブ。両ゴールキーパーの活躍もあり、1-1のまま試合の終盤へ。
そして迎えた82分、杉岡のアウトスイングのコーナーキックにニアサイドの大岩が2011年の女子W杯決勝の澤穂希を彷彿とさせるアウトサイドでフリック。そのボールは上手くファーサイドに流れ、鈴木章斗が左足で落ち着いて流し込み、湘南が再びリードに成功する。
再び追う展開となった京都はバースデーボーイの平賀大空、前節に26年ぶりの記録を樹立するなど鮮烈なデビューを飾った安齋悠人を投入して反撃にかかる。湘南サイドも大野和成を入れて5バックに変更、福田翔生に前線からの猛プレスを託し、ゲームを締めに行く体制にシフトチェンジ。終了間際にボックス内で川﨑にシュートを打たれるもゴールには至らず。湘南が敵地で今季初勝利を飾った。
‣あとがき
まずは、開幕戦をあのような形で落としてしまった中、チームとして大きく崩れることなく、先制してすぐさま追いつかれるも集中を切らさず、終盤にセットプレーで勝ち越すことが出来たことが今後の戦いにとっての安心材料になることは間違いないのではないでしょうか。前節、ミスから逆転弾を許してしまった富居であったが、ピンチの場面でしっかりとセーブをしてチームを救ってくれた。ミスを引きずってしまっていてもおかしくないが、この試合を通してしっかり切り替えれてる印象を受けた。また、右サイドの池田&鈴木雄斗の2人でサイドから攻撃を組み立てる場面が多く見れたのも非常に良かった。京都が複数人でボールホルダーにアクションをかけてくる中、2人でいとも簡単にかわしてるシーンは今シーズンの湘南の大きな武器になるのではないか。これまでの湘南は試合内容はまずまずでも勝ち点を落としてしまうことが多かった中、このように勝てたのは大きい。一歩一歩、シーズン通して成長して行くチームが見れることを期待したい。
‣試合情報
・結果
J1 第2節 3/2(土)14:00 サンガスタジアム by KYOCERA 観客数:11885人
京都サンガF.C.vs湘南ベルマーレ
1-2
15分田中 聡(湘南)
19分豊川 雄太(京都)
82分鈴木 章斗(湘南)
主審:中村太 副審:三原純、西村幹也 第4審判:塩津祐介
VAR:上田益也 AVAR:鶴岡将樹
・試合のスタッツ
・試合後の両チームのコメント
湘南:https://www.bellmare.co.jp/333428
京都:https://www.sanga-fc.jp/game/report/2024030203
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?