見出し画像

海に面するより麺つゆに浸せ

兄が給食のパンを食べずにバックに忍ばせた

パンが嫌いなのは知っているが

なぜバックに入れたのだろう

ネコでも飼っているのか…?

不思議に思い兄の後をつけることにした

商店街を抜け、駄菓子屋の前を左に

空き地を通り過ぎ、草むらに入っていった

「やっぱりネコか」

さらに後をつけると

ニョキーンと茶色い

黒糖まんじゅうみたいなものが飛び出してきた

ラクダだった

兄はこっそりとラクダを飼っていた

こっそりと言うにはちょっとデカいが

草木のせいで他からは見えないようだった

兄は着くやいなや給食のパンを

ラクダの口に詰め込んだ

ラクダはモゴモゴしながら

美味しそうに食べていた

異様な光景だったが

その感じに少し違和感を覚えた

ラクダの背中になにか黒い物体が見えた

機関銃だ

ラクダは機関銃を乗せていた

こんなのゲーセンのメタルスラッグでしか見たことない

機関銃乗せたラクダがいるなんて

色々と怖すぎる

「ポルシェ機嫌はどうだ」

「ポルシェ穴を掘ろう」

兄はそのラクダにポルシェと名付けていた

遅い動物に速い名前を付けるなんて

どういうことだ兄


次回へ…

いいなと思ったら応援しよう!