【SLAM DUNK GI】144話「カメの元旦」
企業バスケット連盟の運営するCBAリーグ。
選手は会社員でもあり、仕事との両立が課せられる。
それは普段のオフが限りなく少ないことを意味する。そんなCBAリーグ選手でも元旦は別物だ。
元旦、夫婦、家族で貴重な時間を過ごす、若きCBAリーガ-がいた。
「初詣、何を願ったの?」
「家族の健康かな、、?君は?」
「・・・・ 同じかな?」
「同じじゃないか(笑) それが一番だね。」
「でもあなたは、他にも願うことがあってもいいんじゃない? 欲がない人ね?」
「はは。 欲がないって言うのは、ちょっと違うかな。」
「俺みたいな選手はコツコツと積み上げていかなければならない。ウサギとカメの話がいい例さ。足も速くない、体も強くない、そのカメがウサギに勝とうと思ったら、日々を積み上げて進み続けるしかないだろ?」
「あなたらしいね。」
「そのためには、健康な体が一番ってことさ。欲はあるさ。」
「そうだね! そうそう、おみくじ開けようよ!」
妻がおみくじを開いた。
「大吉!! わー すごい! あなたは?」
「・・・ うん。俺らしいかな?」
「教えてよー」
その時、近寄って声をかけられる。
「パパー!! あそぼー もっと高いところ行きたい! 高い高いして!」
「よーーーし いくかー!」
「ちょっと 気をつけてよ! ただでさえ 背が高いんだからね。」
妻から離れて、遊びに行き、しばしの親子の時間が過ぎていく。
そして一息ついたところで、金髪、サングラスの男に声をかけられる。
「突然すみません。少しお話させていただきたいのですが?」
「!?!? あなたは!? なぜこんなところに?」
「初めまして、三田良佑と申します。
神宗一郎さん、あなたにお話があります。」
プレパラシオン東京が徹底的にUJBリーグを制圧するチームとなるために上げられた強化ポイントのシューター獲得に名前があがったのが神宗一郎だった。
「神さん、シンプルに言います。あなたとプレパラシオン東京で一緒にプレーしたい。あなたをプレパラシオン東京の誘いに来ました。」三田
「こんな田舎町に!? 俺に会いに来たのですか?」神
「そうですよ。」三田
元旦、人はこの日、新たな気持ちで新しい年を迎える。昨年の反省をするもの。新たな目標を立てるもの、継続性を重視するもの、新たな1年はここから始まる。
コツコツと積み上げてきた神宗一郎の刺激的な元旦での交渉がはじまる。
続