【SLAM DUNK GI】76話「リングのない空」
「福田、宮城にライン際に追い込まれながらもシュートを放つべく跳びました!」アナウンサー
~福田吉兆 回想~
陵南の命運は福田吉兆に託された。
「福さーん!!」彦一
「福田! 行け!」田岡
福田、渾身のダンクは大型センターに阻まれた。
「ラストプレーに逆転をかけた福田吉兆ですが、得点ならずここで試合終了のブザーが鳴りました。天才との呼び声も高い、仙道彰擁する陵南高校ですが、ベスト8で敗れました。」アナウンサー
数日後、陵南高校、校舎屋上にて福田は仰向けになりながら空を見上げていた。
全国大会でも福田のオフェンス力は陵南の武器となったが、大学からのオファーは届かなかった。
オフェンス能力が高い選手等、
ごろごろいる。
ディフェンス能力の低さが足枷になった。
「リングのない空に後戻りか、、、、、、。」福田
無期限部活禁止処分中、福田はリングのない空にシュートを放った。
ハングリー精神は死んでなかったのだ。
それは高校バスケを引退した数日後も同じだった。
シュートを放った。
そこには空しかなかった。
その日の夜、日本代表とアメリカ大学選抜の試合が強化試合として行われた。福田はテレビに釘付けになっていた。
「日本を代表する選手達がこんなにやられるのか、、、?」福田
「うわ! すげー!」福田
福田が思わず声を上げたプレーとは?
「スーパープレーがとびだしました! 日本屈指のセンター杉山は完全にライン際に追い込み、シュートスペースはありません。しかしゴール裏から放り込みました。ゴール裏にはリングはありません。そんな常識は通用しないということなのでしょうか?」アナウンサー
「またまたとびだしました! これはしっかりと狙っているのでしょうか?」アナウンサー
「狙ってますね。アメリカはストリートバスケの歴史も長い。幼少の頃からストリートにもまれ、形のない自由な発想が自然と身についているのではないでしょうか。」解説者
「もう一度、言わせて下さい。ゴール裏にはリングはありません。」アナウンサー
「しかしそのシュートはリングに吸い込まれていきます。」アナウンサー
福田はその言葉がやたらと印象に残った。
「ストリートバスケ、、、、。リングがない、、、、、リングのない空??」福田
「リングのない空、、、、、、そりゃ俺の専売特許じゃねーか!」福田
「俺にはリングが見える。」福田
こうして福田はストリートバスケに導かれ、リングのない空の果てにとっておきのシュートの鍛錬を欠かさなかった。
https://note.com/tyimage/n/n86f27ef1388b
~現在~
「福田吉兆、ゴール裏からでもゴールを狙っている!」
「ここでブロックに入ってきたのは、流川楓だ!」
前半、再三見せた福田のシュートを見ていない流川だったが、
福田の放つオーラに反応した。
福田、流川のブロックを交わしてシュートを放つ。
ゴール裏から放たれたシュートは、
リングの周りをグルグルと回る。
リングを回るボールは外へ。
「外れた!」「リバウンド!」
「ピー!!!」
「ルース・オエステ11番。プッシング 2スロー」審判
「おーーーー!!」
場内の歓声が唸りを上げた。
(そんなことお前が(流川楓)一番わかってるだろ?)
福田は勢いでコートに倒れ、仰向けになり、
「すげーーー!福田のやつ、NBAの流川を出し抜いたぞ!」観客
「ファウルしか出来なかったんだ!? 流川がいなけりゃ入ってたぜ!」観客
「ねぇパパ。僕もストリートバスケやっていい?」子供
「当たり前だ!自分の可能性に限界を決める必要なんてないんだ!」父親
「フクダ!! フクダ!! フクダ!!」歓声
リングのない空を見上げ歓声を耳に入れていた。
「もっと、、、 ホメてくれ、、、、、。」
続