【SLAM DUNK GI】181話「命の恩人」
出会いからストリートバスケで汗を流し、第1ラウンドを終えた仙道彰とマリオ・タルデッリは、夕食の席に着いた。
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「遠慮せず、頼んでくれ。」仙道
「はっはっ(笑) そんなもの最初からするつもりはないぞ。」マリオ・タルデッリ
「そうか。まぁ食事を楽しもうか。」仙道
しばしの間、食事を楽しむ二人。
「食った食った。久しぶりのご馳走だったぜ。アキラ、サンキューな!」マリオ・タルデッリ
「ああ。うまかったな。マリオ。バスケも久しぶりだったって言ってたな?」仙道
「ああ、まぁな。」マリオ・タルデッリ
「・・・・無理に話したくなければいい。でも少し話しを聞かせてくれないか?」仙道
「・・・ああ、アキラは命の恩人だからな。 何が聞きたいんだ?」マリオ・タルデッリ
「命の恩人? それは大袈裟じゃないか?」仙道
「大袈裟なことねえよ。こうして飯食わせてもらってるしな。あのまま、警察に捕まっていたら都合が悪かった。」マリオ・タルデッリ
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「?? マリオは空き巣なんてやってねーだろ?」仙道
「ベネズエラ。俺の故郷だ。」マリオ・タルデッリ
「ベネズエラ、、南米の?」仙道
「ベネズエラ難民、、、、。わかるだろ?」マリオ・タルデッリ
「近年、急激に増加している。」仙道
「以前はな、裕福な家庭とは言えなかったが、ベネズエラでは希少である黒人の血が騒いだのかわからないがバスケに惹かれた。貧しくもそれなりに育った。」マリオ・タルデッリ
「体格にも恵まれたんだな。その体格にしてはプレーが自在だ。型にはまっていない。」仙道
「少数精鋭でなんでもやってきた。楽しみながらな。」マリオ・タルデッリ
「今日も楽しそうにやっていたな、、、、、。」仙道
「オリンピック、、、日本で控えているってな?」
マリオ・タルデッリ
「ああ。そうみたいだな。」仙道
日本でのオリンピック開催が決定している。
この時、テルノン会長の国際大会、国際試合禁止宣言は解かれている。
「2016年、リオオリンピック、アメリカ大陸予選、ベネズエラは優勝で予選突破した。NBAプレーヤーは0人。NBAプレーヤー全員、出場していたカナダを破ったんだ。あの興奮は忘れられない。」マリオ・タルデッリ
「まさか!? 代表に?」仙道
「いや、、、。まだ学生で最初の選考で少し絡んだだけだ。でも必ずあの華やかなコートに立つと希望を寄せていた時だった。」マリオ・タルデッリ
「・・・・」仙道
陽気な一面を持つマリオ・タルデッリの表情が神妙になったのを仙道は見逃さなかった。
「ベネズエラを襲った、2週間に及ぶ集中豪雨。災害が発生した。俺は命からがら生き延びたが、大怪我を負った。家族は行方不明のままだ。家を失い、政情不安で生活はままならなくなった。バスケで夢を追う所ではなくなった。ベネズエラ難民、、、、状態さ。」マリオ・タルデッリ
「・・・・でも 気がつけば、バスケットの国、アメリカに向かっていた。」マリオ・タルデッリ
「そうか。難民申請が通ってなければ、強制送還される可能性だってある。警察に何も話さなかったのはそのためってことか。」仙道
「何か、当てがあってここにきたわけじゃねえ。でもここで振り出しの戻るわけにはいかねえ。自分の情報を出すのを避けたかった。」マリオ・タルデッリ
「そうか。話してくれて、サンキューな。」仙道
「恥ずかしい所を見られたが、金が落ちてないか徘徊してしまった。しかしアキラがいてくれて助かった。」マリオ・タルデッリ
「いいや。大したことしてねーさ。」仙道
「だからな。アキラは命の恩人だ。」マリオ・タルデッリ
「ははは(笑) そんなにあらたまるな。」仙道
マリオ・タルデッリはベネズエラでオリンピック出場、かつて希望を抱いた有望なバスケット選手だった。
しかし近年、悪化する政情不安と集中豪雨の災害の被災者となり、怪我を負い、家族とも離れ離れに。ベネズエラ難民と化してしまっていた。
「アキラ、お前の話を聞かせてくれないか?」マリオ・タルデッリ
マリオ・タルデッリが命の恩人と敬意を表した仙道彰に興味を持つのは必然だった。
続