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【SLAM DUNK GI】154話「花形透の根回しとはったり」
ヴィルフェーダ大阪、プレシーズンマッチ前日の紅白戦、選手同士が交錯し、中断する。
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「大丈夫か?! トレーナー呼んで!?」安木
スタンバイする福田がタイミングを見計らう。
「行けるか?」安木
「監督、紅白戦は中止しましょう。」土屋
「何だ!? ツッチー甘いな。まだ行けるぞ。」桜木
「いや、ごまかしてるつもりかもしれへんけどな、もう足攣ってる奴が何人かおるんや。」土屋
「何!? 誰だ? カリメロか!?」桜木
「あっ ちゃうわ!」南
「監督、明日もありますし。」土屋
「・・・そうだねーじゃ、、」安木
安木監督が紅白戦中止の宣言をしようとしたところ、記者席から軽く変装した男が声を上げた。
「試合は俺が出ます!! 続きをやりましょう!!」福田
ブルゾン、ニット帽を脱ぎ、ジャージ姿となった福田吉兆だった。
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「誰やねん!?」南
「チョウさん!?」べノン
「フク助だと!?」桜木
「・・・・ 福田!?」仙道
「練習生として参加させていただきます。福田吉兆です!!」福田
「練習生やと?」南
「チョウさん スゴイネー!?」べノン
「練習生!? 聞いてないなー。」安木
「えっ? 聞いてないですか!? 話は通しているって、、。」福田
福田は練習生として参加できる体で話したが、これは、はったりだった。
ここからは花形透も援護する。
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「安木監督、スカウトの花形です。先日フロントと監督にお話しさせていただいた新外国人の獲得の件で練習生として参加する件なのですが、来日不可になりました。すみません。こちらの不手際です。」花形
「トオちゃんまで出てきたぞ!?」桜木
「トオサン、どうして!?」べノン
花形は、ヴィルフェーダ大阪フロント、安木監督に仙道、土屋の連携が構築されなかった場合の補強として新外国人選手をリストアップし、練習生として参加させると話を通していた。
しかしこれこそ、花形なりの根回しであり、はったりだった。
リストアップはそもそもしておらず、福田の飛び入り参加のハードルを下げようとした営業戦略だった。
「安木監督、実は外国人は交渉決裂してしまったのですが、その埋め合わせとして福田吉兆をリストアップしていたのですが、何を勘違いしたのか、練習生として参加できると思って来てしまったようです。それもこちらの連絡ミスであります。申し訳ありません。」花形
「そうなんだ。」安木
「しかし安木監督、ラッキーかもしれません。福田は連携が構築出来なかった場合の補強ではなく、連携を向上させ、新たな連携を生み、1+1が3になる可能性を秘めている素材なのです。」花形
「なぜなら、、」花形
「知っとるで、、、。」土屋
花形が理由を説明しようとしたところで割って入ってきたのは、主将の土屋淳だった。
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「陵南高校の福田吉兆やろ? すなわち仙道彰の相方、仙道-福田は陵南のホットラインってことやろ?」土屋
大栄学園出身の土屋は、後輩の大栄学園-陵南戦を観戦。仙道の鮮烈なプレーとともに陵南のスコアラーとしてプレーしていた福田の存在も思い出したのである。
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「陵南?? 福田??」
「こないだ、YouTubeで仙道がどうのこうのって言ってた奴じゃね?」
「てかあいつ、デサフィアンテでてなかった?」
まわりもにわかにざわつきはじめる。
「(よし!)」福田 花形
福田、花形の描いたシナリオに流れが傾いたところで、一人の男が声をあげる。
「おいおい! 何、勝手に話を進めてやがる! フク助! 勝手な真似してんじゃねーよ。」桜木
「(おいおい 花道!? いい流れだったのに。)」高宮
「(言ったろ? あいつに仕込んでもどうせ面倒なことになるって。あいつはあれでいい)」宮城
福田が桜木に近づいてボールを要求する。
「どうせ、お前とは話し合いなんてできねーだろ?」福田
「あん。ほらよ。」桜木
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福田が桜木に1ON1を仕掛ける。
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「おーー! はえー!」
ギャラリーも沸く。福田がゴールを決める。
「おい! いきなりすぎんぞ!」桜木
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桜木、福田を抜いてゴールを決める。
「天才!」桜木
「あじな真似を、、、。」福田
「なんだよ、桜木に抜かれたぞ(笑)」
「でも オフェンスはレベル高かったぞ。」
「おもろいやん。監督、ちょうどええんちゃいます?」土屋
「そうだねー。」安木
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土屋、安木監督の興味をひき、花形透の根回しとはったりは狙い通り功を奏した。
「ありがとうございます!」福田
続