【SLAM DUNK GI】2話「 雑草の夢はぶれない」~プロローグ・ 赤木剛憲~
恵まれた体格、バスケに打ち込む熱い姿勢、リーダーの資質。そのポテンシャルは十分だった。
そんな赤木剛憲が夢みたのが
全国制覇という壮大な夢だった。しかし赤木はあくまでポテンシャルを秘めた無名選手。高校入学時、フリースローが苦手とあるように夢みる雑草に過ぎなかった。
2年連続1回戦敗退。部員は次々と退部。仲間がついてこない孤独、リーダーの資質を問われかねない。
それが「雑草の夢のリアル」だった。
3年時、チャンスが訪れた。「全国制覇」の夢にぶれなかった赤木。個人の鍛錬、チームのベース作り、
リーダーとして示した姿勢と結果は紙一重だった。底辺からめきめきと這いつくばって伸ばした茎が花開くその姿は美しく、
それもまた「雑草の夢のリアル」だった。
赤木のリーダー像はぶれなかった。リーダーの重圧がのしかかった。
いやそれはリーダーの孤独とも形容されるのかもしれない。重圧と孤独を背負った赤木の出した答え
「おそらく現時点でオレは河田に負ける。でも湘北は負けんぞ。」
リーダーの重圧と孤独を乗り越えた先にあったもの、必要なものは孤独とは対極なものだったのではないか?
無敗の王者、山王工業からの勝利、日本一の大学からの推薦、雑草の夢は広がった。
しかし最後の結果は、3回戦惨敗、推薦なし。
これが「雑草の夢のリアル」だった。しかし「雑草の夢のリアル」だからこそ美しかった。
遅咲きとも言える赤木は、大学でもバスケに精進した。より多くの経験、実績を積み、教員として、湘北高校バスケットボール部に戻ってきた。(体育教師ではなく物理教師)
「何遊んでんだ!!バカたれが!! もう練習ははじまってんだぞ!」
「体を張って止める! 力で相手を外にしめだす! これがスクリーンアウトだ!」
「間違ったフォームで練習してても、うまくならん。」
「ゴール下は戦場だ! 自分のゴールは自分で死守しなければならん!」
「リバウンドを制するものは試合を制す!」
「まず最初にはっきり言っておくことがある。今年の目標は全国制覇だ!!」
「雑草の夢」はぶれない。
ほどなくして、あの伝説のメンバーとの再会はそう遠くはない。