らくがき王国②
らくがき王国の一日はゆっくりはじまります。
なんせ、この国仕事はらくがきをすることなので、誰もいそがしくする必要がありません。
ゆっくり仕事をはじめて、じっくりらくがきを楽しむ大人がたくさんです。
この国では楽しく働く人ばかりでした。
らくがき王国では大人よりも子どもの方がいそがしいのです。
それは、子どもたちがらくがきを描きたくて急いで学校に向かうからです。
そんな中、らくがき小学校に通うピーターは珍しくゆっくりと登校していました。
ピーターが学校に着くころには、もうクラスメイトは全員登校して、らくがきを楽しんでいました。
「おはよう、ジョナサン。今日は何を描いているんだい?」
ピーターがとなりの席のジョナサンに声をかけました。
「おっす、ピーター。今日は服のデザインを描いてんだよ。今日は遅いんだな」
「昨日、遅くまで起きていたから寝不足でさ。今日はゆっくりしようとおもって」
「できそうなのか、あれ?」
ジョナサンは小さな声でピーターに聞きました。
「もう少しでできるとおもう。そのことではなしがあるから放課後付き合ってよ」
「オッケー」
二人の少年は何を企んでいるようでした。
らくがき王国にはまだ知らない秘密があるようです。