らくがき王国①
とある島にらくがき王国という不思議な国がありました。
このらくがき王国は地図にもない国でした。
それは、国民全員がらくがきをして外の世界に知られないようにしたからです。
国民は朝から晩までいたる所にらくがきをします。家の壁やお役所、そしてお城にまでらくがきをします。
そう、らくがき王国はらくがきをすることが仕事なのです。
生活もらくがきで済ませてしまいます。
お腹が空いたら、らくがきをすると、それが食べ物に変わるのです。なんと味もとても美味しいのでした。
学校の授業もらくがきのお勉強ばかり。学校では、上手い絵よりも楽しく笑える絵の方が、大切なのでした。なので、面白い絵を描いている子どもたちは授業中も笑って楽しそうでした。
給食だって自分たちで好きならくがきをして好きな給食をだしていました。
朝から晩まで自分で考え、自分でいろんなものを作る子どもたちは学校が終わっても家に帰ってから明日はどんならくがきを描こうかそればかり考えています。
らくがきは、らくがき王国にとってなくてはならないものなのでした。
仕事も学校も生活もすべてがらくがきなのです。