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中にいる人は教育を語れない
こんにちは
不登校支援や探究教室をしています
「きときとの杜」です。
知って実践するだけで、子どもとの関係がフカフカになるブログを書いています。
今日は、「小学校 それは小さな社会」をみた感想を書きます。
もし、日本の学校に違和感がある。
学校教育が苦手だ。
先生はどうして変わらないのか分からない。
などのお気持ちをおもちのかたは、読んでくださると今の学校の先生がどんな状況なのかお分かりいただけるかもしれません。
いや、退職した教員のつぶやきかもしれません・・・・。
映画はとても素敵でした。子供の表情や先生の言葉とか、細かく見ることができました。あんなに本当に素の学校の姿をとってくださって、映画監督さん、プロデューサーさん、カメラマンさんとかすごいんんだなって感動しました。かなり前から一緒に生活されて撮っているとか。ドキュメンタリーってすごいですね。
では、スタートです。
最初に結論を書くと
「当事者である教員はこれを語れない」だろうなというのが一番の感想です。
映画は普通の学校の普通の姿でした。
ドキュメンタリーを見て自分の教育実践を客観的に見たときに、「日本の実践は素晴らしい」と言える教員は、学校の先生向いていますよ。
そして、その先生のもと、すくすくと成長できる子はとても多いと思います。
教育という大きなシステムの中で
小学校6年生には「日本人を作る」という目標のもと、規律、整理整頓、優しい心、他人に配慮する心、自分で決めたことに曇りなく頑張ることを教えていけば、素敵な日本人が出来上がるのだと思います。
電車の時間はきっかりだし、道路はきれいだし、列に並べるし、救急車がくればみんな止まって優先する。
映画を見て、そういうことができる日本人が育つと思いました。
格差が広がる世界中で、学級経営という言葉があって、特別活動を輸出する日本の教育は、平均値を育てる意味ではとても優れているのかなと思いました。
でも、今必死になって学校で子供たちを指導している先生は、この映画を見て、何を語れるのかな?と思いました。
私は、今の先生たちは、毎日目の前にあることに必死に対応して、目の前の子供たちを一ミリでも伸ばそうと努力して、これまでのやり方や価値観を一生懸命に遂行してきたように思っています。
しかし、今、従来の価値観では、運営ができなくなっている。
価値観が変わる中で、学校や学級運営していくのはとても大変です。中盤で低学年の先生がおっしゃった「毎日綱渡りですよ」って。これが現場の声なんじゃないかと思います。
映画見て、集団圧が強いとか、先生の圧とかいろいろ評価があがっているけれど、それ見て、現役の先生は泣いていました。
あまりにも日常を上手にとってくださっているから
今行われている学校教育に対するダイレクトな批判かなと。
でも、先生たちは、これまでの教育の価値観について議論する時間ないじゃない。
毎日一生懸命だよ。先生たち。ホントに・・・。
教育は目の前で評価が出にくい仕事です。
保護者・子供・先生・おじいちゃんおばあちゃん・地域の人
視点があればあるほど、それぞれの価値感があって、それによって現在の評価も変わるし、20年後、今やった実践がどの子にどう響くかなんて分からないです。
だから、「やりがいがある」って胸張って言えない時期があるんです。
毎日こんなに大変なのに何にもできていないって無力感に包まれることが誰にでもあって
毎日こんなに忙しいのに自分のやっている仕事が「くそどうでもいい仕事」に感じるときがある。
でも手を抜いている人はいないし、みんな前を向いて必死に船をこいでいるから自分だけ降りるわけいかないって、なんか踏ん張っちゃう。
日本の教育現場は、そんな先生を作ったなって私は思ってしまいました。
なんかね、長くなっちゃった。
そんな感想をもった映画でした。
教育について一番話したい人たちと
この映画を通して教育語れるかな。
一番話したい人とは話せないような、そんな感想をもった映画でした。
みなさんは、どんな感想をもったでしょうか。
まだ見ていない人は、この映画、観に行きますか??
つながって学ぶ
「きときとの杜」