「女のさしすせそ」言うほど効果あるか？

　皆さんは「女のさしすせそ」をご存知だろうか。

さ= 「さすがですね！」
し＝「知らなかったです！」
す＝「すごい！」
せ＝「センスいい！！」
そ＝「そうなんですか！？」

　これらを会話の合間に挟み、男性を褒めることが男性から好かれるために効果的なんだそうだ。「なんで男なんかに媚びないといけないのだ」とお思いのご婦人もいらっしゃるだろうが、そこに関しては同意見なので拳を下ろしてほしい。たしかに、相手を立てた会話は、嫌われることこそ少なくなるかもしれないが、こんな意図的に使われたワードで殿方は気持ちよくなるのだろうか？？？

ここからは男性としての一意見である。

例１　「さすがですね！」の場合

　「さすがですね」を会話に活用しようとするなら、相手の能力や行動を称賛する機会を見計らい差し込むことになるだろう。しかし、これを言われた側からすると何がどう「さすが」だと感じたのかを知りたくなるだろう。それを知る権利があるだろう。飛び抜けたバカでもない限り、誰かから褒められる前に自分の行動や脳力を自らのものさしで測った上で、一般的な物事と比べ、出来不出来を判断している場合が多い。「まあ俺のやったことは世間から見るとこんくらいの位置だな」と、当の本人は冷静に位置づけているはずだ。つまり、本人の判断よりも褒める側がオーバーに評価していると感じた場合、どういう価値基準で判断をくだしたのかを説明する責任を負わされることになる。それができて初めて、嫌味も違和感もない「さすがですね！」をプレゼントすることができるだろう。（この調子で進みます。ごめんなさい。）

例２　「知らなかったです！」の場合

　これはよくよく考えてみるとおかしな話である。「知らなかったです」を会話の合間に差し込む機会について考えてみてほしい。会話相手がなにかあなたと情報を共有をする。それについてあなたは知らなかった。そして「知らなかったです！」と発言をする。では、相手の立場に立ってみてほしい。あなたが知らないだろうなと思った物事だからこそ、その情報をあなたに与えていると考えられないだろうか。つまり相手からしてみれば「知らなかったです！」と言われても、いや、そうだろうな。としかならないのである。つまり、この言葉を発する機会に恵まれたあなたはもれなくその相手に舐められているのだ。情報弱者が！潰すぞ！と思われていること請け合いである。（いやそんな状況だけではないだろうと思ったあなたもここは一度落ち着いてほしい。深呼吸である。それがモテる女というものだ。）

例３　「すごい！」の場合

　いや、なんやねんその感想、小学生か。とツッコミをいれてもいいところではあるが、「すごい」の力は侮れないだろう。これは、私の脳みそでは到底理解に及ばない人智を超えた何某かが今眼前で行われていて、それに関して理解しようと試みることに思考のキャパシティを全てぶんどられてしまい、語彙に関して細々と気を配る余裕などなかったのだ、、というこの上ないアピールになっているのではないだろうか。なってないだろ。潰すぞ。（こっわｗ）

例４　「センスいい！！」の場合

　具体的な評価の基準を考えることから逃げ出した抽象的な言葉達の一例である。何かを言っているようでその実何も言ってないのだ。つまり、「センスいい！！、、けど、そのセンス（笑）に関しては、その正体を突き止めるまでもないことだが」と暗に伝えているに過ぎない。本当に素晴らしいと思った事柄なら、是が非でもその本質を捉えようとするものである。それがないということはそれまでなのだ。センスいい！で振り向くような男にまともな男はいないだろう。

例５　「そうなんですか！！？」の場合

　そうなんだからそう言っているのである。たわけが。

おわりに

　さて、この記事で伝えたかったことは皆さんに伝わっただろうか。

　つまり、「女のさしすせそ」はこのように面倒くさい反応ばかり繰り返す男をあぶり出すのに有用なのである。「さしすせそ」にいちいちつっかかる男にまともな男はいないのだ。それは私が保証しよう。
どうだろうか？　みんなの役に立っただろうか、、？

「すごい！役に立ったよ！！ありがとう！」

　本当だろうか？、良かった。ちょっと口調を荒っぽくした方が面白いかなと思って、角が立つような表現を選んだんだけど、気分を害してないだろうか？

「大丈夫、さすがだね、言葉選びのセンスがあってすごいよ」

ほんと？良かった～それはすごく嬉しいと感じる。そう言ってくれるのが一番嬉しいよ。ありがとう。
　あ、そうだ、今度時間空いてたらご飯にでも行かない？この前めちゃくちゃ美味しいとこ見つけてさ。〇〇ってとこなんだけど、ここあのお笑い芸人の〇〇も常連らしくてさ、、

「そうなんですか！！？」