スピーカーコンテスト(2021年-完成編)
時間が経ってしまいましたが、完成編を簡潔に。
コンステスト自体の結果は応答はありませんが、デザイン性よりも音と構造が重視されるので、見た目はあまり考慮されないのかもしれません。それは、ともかく音は気に入っていますので、毎日使っております。
設計上のポイント
MDFの9mm厚で知り合いの家具職人に依頼し試作を。サイズ的には、下記のエンクロージャーを参考しております。
去年の試作したアクリル板でたまたまレーザー加工する際に、音道を開口として処理できることがわかったので、通常のバックロードホーンだと板の長さで調整するのをあえて開口(穴あけ)で実現しています。
通常は板の長さでの調整だと3点の接着となり、剛性が落ちるのでは?、と思っていて、4点の接着する開口による音道の確保で設定してみました。完成品を組んだときに寸法の精度が良いので、背面は接着をしていません。
本来エンクロージャーは完全に閉じることが前提ですが、アクリルの特性である透明を生かしたデザインにはなりません。また、通常だと中の掃除ができません。なので、あえて開けられるようにし、溜まった埃を掃除できるようにしています。あとは、吸音材を追加して、音を変えることも可能です。
試作1号
MDF9mm板の試作はこんな感じに。見事に寸法を間違えてえらいことに。無理矢理、中も接着し、はちゃめちゃな状態となりました。
サイズも今まで一番デカいのとにかく組むのに一苦労。サイズの大きいハタガネを何本も追加して組みました。それでも足りなかったので、完成品の時にはさらに4本くらい追加し、とにかく固定しながら組まないと寸法が狂うのと、MDFだと中が見えないので、汚くてもよいのですが、アクリルは透明で中が見えることが良さなので、接着の難易度も高くなります。
試作2号
試作1号の問題となった寸法を修正し、想定通りの仕上がりに。MDFの特性なのか、音がこもって聞こえるのが気になりました。そのため、元々のエンクロージャーをサイディングシーラーで7度塗りの目止めして硬化させてみました。それでも、音の抜けがよくないと思いました。材質の特性なのでしょう。
背面はこんな感じになっています。この試作時に誤ってスピーカーの真後ろにつける板の位置を間違ってしまい、音道の一枚の寸法が合わなくなり、閉められない自体に。試しにMDFを太いカッターで切ってみたところ切れることがわかったので調整し対応しました。MDFの加工性の高さは理解できたのですが、逆にやわいこともよくわかりました。
完成品
アクリル板だと9mmがないので、8mm厚に変更となりました。そのため、外寸は変更せず、内寸を変更して対応しました。アクリル板はMDFに比べると重いので、1本あたりが4.8kgの重さになりました。
レコードプレーヤーと並べてみると大きさがわかると思います。今まで作成したスピーカーでは一番大きいので、かなりの迫力があります。
今回は家具職人の方が知り合いのアクリル職人の方が加工をしてくださり、しかも破格の加工賃での対応となりました。ちなみに、加工賃のみでいうと昨対比10分の1です(笑)
これは「どんどん売ってね」って心意気と思っています。もし、完成品を視聴、もしくはご購入したいという方はご連絡をください。
もしくはカフェのスピーカーで使ってみたいという方は気軽にご連絡ください。なお、価格は参考にしたエンクロージャーキットと同じくらいの約3万円程度を考えています。
今後の展開
アクリルが好きな人だとご存知のこの作品のようなカラフルなスピーカーを将来的には作成したいと思っています。
今回はガラスに近いアクリルを使っていますが、アクリルの持つ魅力が生かしたカラフルだけど、音もちゃんと鳴るものをデザインしたいと考えています。