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Google Gemini 新機能「Gem(ジェム)」入門ガイド / 教育関係者向け

※ この note は、2025年2月4日付の情報をもとに作成しています。利用の際は、必ず公式の情報を確認してご利用ください。

近年、教育の現場でも生成AIを活用する機会が増えてきましたよね!

Google が提供する生成AI「Gemini(ジェミニ)」には、" Gem(ジェム)" というものがあります!

しかし、「 Gem って何?」「授業でどう使えるの?」「お金はかかるの?」といった疑問をお持ちの先生も多いのではないでしょうか。

この記事では、そのような先生方向けに Gem の基本機能と仕組み教育現場での活用方法料金プラン(無料版と有料版の違い)生徒が利用できるか(利用制限)、そして 教育現場で使う際の注意点 を解説します!


Gem とは?基本の機能と仕組み

Gem は、簡単に言うと「自分だけのAIアシスタント」を作れる機能です!

通常の Gemini は質問に答えてくれるAIチャットボットですが、Gem を使うとそのAIの「役割」や「話し方」をカスタマイズできます。

例えば、先生が Gem に「小学校の算数の先生になって」と設定すれば、Gemini が算数の先生のような立場で質問に答えてくれる、といったイメージです。

難しいプログラミング知識は不要で、画面上の案内に沿って名前や目的、口調などを指定するだけで自分専用のAIを作成できます!

Gem 利用条件

Gemini には無料版と有料版があり、利用できる機能に大きな違いがあります。特に Gem 機能は有料版でのみ利用可能なので注意が必要です!

無料版の Gemini

個人の Google アカウント があれば誰でも基本機能を無料で使えます!

料金はかかりません!
ただし無料版では Gem 機能は利用できません 。

できないんかいっていうね🖐️笑

これは、Google Workspace for Education の、いわゆる学校アカウントでも同じです!

Fundamentals , Plus どちらも関係ないんです。

教育機関向けプラン

学校など組織で Google Workspace for Education を利用している場合、組織向けの追加ライセンスとして Gemini for Google Workspace があります。

教育機関向けには「Gemini Education」「Gemini Education Premium」というライセンスが用意されていて、学校がこれを契約して管理者が教師アカウントに適用すれば、Gem や、高度なAIモデルを利用することができます!

たとえば、Gemini Advanced ですね!

Gemini 2.0 Pro は、現在幅広く利用されている Google の AI モデルの中で最も高性能なモデルです!
推論やコーディングなどなど、より効率的に行えます!

そのため、追加の料金を払うことで、利用できるようになります。

今回の本題は、Gem ですので、この話はまた別で!

有料版(Gemini Advanced)

Gem やその他の高度な機能を使うには、Gemini Advanced という有料プランに加入する必要があります

料金は月額約2,900円です。

 Google One プランと料金設定

この AIプレミアム に加入すると、より高性能なAIモデル(高度な応答精度を持つモデル)が使えますし、Gem 機能を使えるのは有料版だけですので、Gemを活用したい場合はこのプランへの加入を検討する必要があります。

でも実は、もっと安くも使えることがあって、、、。

個人で Google Workspace の Business Standard に移行することで、月額 1,600 円で Gemini Advanced は利用できるんですよね笑

Gem を使えることも確認できますね。

Google Workspace 料金
Google Workspace 料金

使い方

Gemini の画面左側にある「Gem マネージャー」から新しい Gem を作成します!

" + Gem を作成 " をクリックして、"名前" をつけます。
「英語の作文コーチ」「理科の実験アドバイザー」とかですね!

次にカスタム指示に指示文(プロンプト)を入れます!

たとえば、その Gem 独自の指示や口調を設定できます。

「生徒に優しくアドバイスして」「回答は3文以内で」などなど。

具体的な指示を書いておくことで、Gem が常にその方針に沿って動くようになります。

サンプルとして、名前を次のように。

データサイエンティスト

カスタム指示を次のようにしてみてください。

【役割】:  

あなたは熟練のデータサイエンティストです。与えられたデータセットに対し、コードを提示することなく、最終的なグラフ(ヒストグラム、散布図、箱ひげ図など)を生成し、その視覚情報に基づく詳細な分析と洞察を提供してください。



【説明】:  

ユーザーからの問い合わせに基づき、以下のタスクを実施します。  

- 日本語で出力すること。

- データの読み込みと前処理(欠損値処理、型整備など)を行い、データの基本統計量を算出する。  

- ヒストグラム、散布図、箱ひげ図などを用いて、データの分布、変数間の相関、外れ値の有無を視覚的に明示する。  

- 各グラフには適切なタイトル、軸ラベル、凡例を設定し、視覚的情報から読み取れる傾向や異常点について詳細な解説を行う。  

- 最終的な分析結果として、データの全体的な傾向、外れ値の影響、及び次の解析ステップや改善策について提言を行う。



【ガイドライン】:  

1. 使用するPythonライブラリ(pandas, numpy, matplotlib, seaborn等)の内部処理は前提とするが、コード例は一切出力せず、グラフの最終出力結果とその分析のみを提供する。  

2. 各グラフは、データの特性(分布、相関、外れ値など)を明示するため、視覚的に理解しやすい形式で出力する。  

3. ヒストグラムでは、データの分布や偏り、主要な統計指標(平均、中央値、分散など)を踏まえた解説を行う。  

4. 散布図では、変数間の相関関係や潜在的なクラスターの存在、及び異常値の検出結果を詳細に述べる。  

5. 箱ひげ図では、四分位範囲、中央値、及び外れ値を明示し、データの広がりや集中度を分析する。  

6. 各グラフに基づく解説では、統計量から導かれる結論や、データの傾向、外れ値の影響、及びその対策や次の解析ステップについて具体的に言及する。



【問い合わせ例】:  

「CSVデータを用いて、データの前処理、基本統計量の算出、及びヒストグラム、散布図、箱ひげ図を生成してください。そして、各グラフから読み取れるデータの傾向や外れ値の影響について、詳細な分析と考察を提供してください。」



【期待される出力】:  

- ヒストグラム:データ分布の偏り、集中度、主要な統計指標を示すグラフとその解説。  

- 散布図:変数間の関係性、相関の強さ、クラスターや異常値の存在を示すグラフとその詳細な考察。  

- 箱ひげ図:外れ値、四分位範囲、中央値の位置などを明示し、データの広がりを分析したグラフとその解説。  

- 分析解説:各グラフに基づく総合的なデータ解析の結果、データ全体の傾向、異常点の影響、及び今後の解析や改善に向けた提言。

これらを入力して保存すれば準備完了です!

以後はそのGemに対して通常のGeminiと同じように質問したり会話したりできます。

" Gem マネージャー " をクリックして、今作成したデータサイエンティストをクリックします。

Gemini Advanced を使えると、Google ドライブ との連携もできるので、+ アイコンから ドライブ をクリックします!

今回は、成績サンプルを入れてみたいと思います。

中身はこんな感じです。

次のプロンプトで実行してみたいと思います!

生徒の成績の平均やグラフを出して分析して

こんな感じでグラフも作ってくれますね!

カスタム指示の中身は、ぜひ色々と試してみてください!

特定分野の専門家を作成して、教科や目的ごとにAIを専門家のようにカスタマイズしたりも!
例えば「歴史博士」「発音指導のコーチ」など、用途に合わせたAIエキスパートを作れますね🚀

今試したように、Google ドライブ 、Gmail などの連携もできるので、自分の Google ドライブ 内の資料(PDFや Google スプレッドシート 等)を読み込んで内容をまとめたり、Gmail の内容を参照して返信文を考えたりと色々とできそうですね!

これらは一例ですが、Gem のような、生成AIを上手に使えば 「準備にかかる時間を減らし、その分生徒と向き合う時間を増やす」 ことが期待できるのでは!?

最初は色々試しながら、小さな場面から取り入れてみると良いかもしれませんね!たとえば、普段の授業準備の中で1つだけ Gem に手伝ってもらう作業を決めてみる、みたいな!
使い慣れてくれば、更に幅広い活用法が見えてくるはずです💡

Gemini の生徒利用

先生方が気になる点として、「生徒が Gemini を使うことはできるのか?」というところですよね。

現時点では、Gemini は保護者の承諾のもと、13歳以上は学習用途で活用できます。

Google Workspace for Education を利用する 13 歳以上の生徒向けに Gemini をリリース

更新内容: Google Workspace for Education を利用する 13 歳(またはお住まいの国の該当する年齢新しいウィンドウで開く)以上のユーザーは、データ保護機能が強化された Gemini アプリにアクセスできるようになりました。対象となるユーザーのアクセス設定は、Education の管理者が Google Workspace 管理コンソールで行います。

理由: Google は、学校でもそれ以外でも、AI をすべての人にとってより役立つものにする新しいウィンドウで開くことに全力を注いでいます。13 歳以上の子どもたちに、生成 AI が存在する未来に必要なスキルとツールを提供し、生成 AI によって創造力を発揮し学習を促進できることを体験してもらいたいと考えています。生徒たちは、Gemini が提供するガイド付きサポートを活用し、即時的な支援、練習教材、リアルタイムで提供されるフィードバックやアイデアにより、さらに自信を持って学習できます。

リリースの最新情報 2024.11.12

教育現場で Gem を使う際の注意点

AIは非常に便利なツールですが、教育の現場で活用するにはいくつか注意すべきポイントもあります。
最後に、Gemini を安全かつ効果的に使うための留意点を確認しましょう。

プライバシー・個人情報の取り扱い

授業でAIに質問する際に、住所や電話番号など個人情報を含む内容をそのまま入力しないよう注意しましょう!

もちろん警告も出ますし、Gemini for Education では、ユーザーのデータが勝手に外部に共有されたりAIモデルの学習に使われたりしないよう配慮されています。

だからといって個人情報を何でもAIに打ち込むのは避けるべきですよね!

出力内容の正確性の検証

Gemini や Gem が返してくれた回答や生成物は、誤った情報や不適切な表現を含む可能性もあります。

現時点のAIは万能ではなく、ときに事実と異なる回答(いわゆる「幻覚」)を示したり、根拠の不明確な説明をすることがあります。
最終的な内容確認・判断は必ず教師自身が行うようにしましょう!

例えば、Gem が作成したプリントや問題は一度目を通して事実誤認や不自然な表現がないかチェックし、必要に応じて修正してください👩‍⚕️

他にも色々とありますが、、、今日はこのくらいでお腹いっぱいになっちゃいますよね笑

おわりに

Gemini に限らず、生成AIはうまく活用すれば、教材準備や個別指導の効率が上がり、生徒一人ひとりによりきめ細かな対応をする時間を生み出せるかなと思います。

また、実際に Google からも活用提案が次のようにレポートされています!

Gem は有料アカウントではないと使えないのですが、、、Gemini や ChatGPT で対話しながら、前述したようなプロンプトの指示を入れていけば、Gem を作らなくても、同じ動作をさせることができます。

また、ツールの使い方ベースで解説をしましたが、
本来は生徒の主体的な学びや、どういう学び、成長を促していくのか、そのために教師がどのような環境を整えてあげるのか
といった視点が重要です。

ツールの良し悪し

や、

できたできなかった

で終わらせず、学びの本質を考えていくためのサポートにしていけたらいいなと思います。

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けいすけ
何かと0から1を作るのは大変だと思います。学校はどこも似たような問題課題に対応していると思います。それなのに、先生って自分だけで頑張ろうとするんですよね。ボクの資料やnoteが1になって、学校ごとの現状に合わせてカスタムしていただければと思います‼️