アダルトチルドレンその後~思いを癒していく~
小学2年~大学2年生頃まで通ったピアノ教室。だけど、見事なまでにアダルトチルドレン(以後AC)の特徴が出ていた私は最終的にはピアノが好きではなくなってしまった。
なぜ好きではなくなったのか、前回のアダルトチルドレンピアノ教室編はこちら→
しかし、ピアノの音はとても癒されるし好きだ。ピアノを自分で弾くのが嫌になったのだ。だけど今家にピアノがある。
ピアノは断れず、実家のリフォームの際に引き受けた。このまま過去が浄化されないまま処分はしたくない。
あまり上手くなくても、もう一度楽しく弾きたいと心の隅では思っている。
そこで、私はこの『弾けなかった想い』をどうしたら良いのか考えた。
しばらく自問すると、『バイエル』と出てきた。何故『バイエル』なのか・・・
私はピアノを習い始めの子供がやる定番の「バイエル」を習っていない。当時の先生の考え方なのか、一度も触れることはなかった。有名な赤や黄色―教本の色さえも知らなかった。
その先の定番「ブルグミュラーも」・・・
だから、ピアノを習っている同年代の友達の話が全く分からなかった。「私は今バイエル◯◯番」、「アラベスク弾いてる~」とかピアノ小学生あるあるが全く分からなかった。
同年代の話に入っていけないので、やがて私は自分がピアノを習っていることをなしの存在した。
そして、習っているの?と聞かれても答えられない。適当に誤魔化したり、私は下手だからと言って会話を避けた。
つまり、「ピアノを習う私」を完全にロストしていた。これはアダルトチルドレンの特徴である。
大人になり、バイエルがピアノの入門書だと分かった。しかし、当時は分からなかった。だからこれが終わったらバイエルなのかなとバイエルやブルグミュラー待ちをしていた自分がいた。
待っても待っても来ない。そのうち難しいものに変わっていく前、何かの教本の中にたまたま「アラベスク」が入っていた。
そこで相当勇気を振り絞り、先生に弾きたい練習曲を聞かれた瞬間「これ」と言った。アラベスクだけは希望を伝えた。そして、家で沢山練習した。弾けて楽しかった。
当たり前だが自分で弾きたい曲なので、すぐに弾けるようになった。あんぷもすぐ出来たので、先生も驚いていた。
私はピアノ初心者の頃、よくある定番が弾けなかった。だから自分のレベルが全く分からなかった。友達とも話の共有が出来なかった。ただ悲しい、辛い気持ちが残った。。
だから、自問自答した際に『バイエル』と出てきたのだった。
そうだ!バイエルを弾いてみれば良いのか!」
そう思って即実行した。昔なら楽器屋か本屋さんでいきなりバイエルの教本を買うだろう。
現代は本当に便利な時代になった。今はネットがある、事前に調べることが出来る。私はバイエルについて調べた。
探していると、ありがたいことにYouTubeで音付き、さらに音と楽譜付が出てきた。さっそくバイエル1番を聞いてみる。
客観的には、入門書だけあって基礎の基礎みたいな感じだった。ただ、弾いてる音を聴いた途端、私の心はワクワクした。
ピアノを習いたてで楽しくピアノに向かっていたあの頃と似たワクワクだった。やっぱり、私の中の小さな子供はバイエルをやりたかったらしい。。
今度、楽譜を買って、自分でバイエルからやり直そうと思い始めた。
さらに色々YouTubeを見ていた。プロのピアニストがピアノ初心者向けに教本を解説、紹介しているものに出会った。
そこでもプロの方が懐かしそうに、楽しくバイエルを語っていた。「みんなが通る道だから」みたいに紹介され、その道を通っていない私は傷ついた。
しかし、その方は、海外ではこんな楽譜もいいんですよ~みたいな話の中に、「メトードローズ」「バーナムピアノテクニック」が紹介されていた。
これらは海外で良く使われているらしい。海外ではバイエルは使われず、日本みたいに認知度が高い訳でもなかった。
「これらの名前は!」私はすぐに分かった。私が習っていた本だった。どうやら私は当時海外の子供が習うピアノの教本をやっていたらしい。
また、その方は指の練習はこれ「ハノン」これも、私がやっていたものだった。
こうしてたまたま見たYouTubeでバイエルに憧れた。一方、自分が習ってきたものは決して間違えじゃないし、むしろ海外の先端を先生が取り入れていたのが分かった。
嫌で、辛い、マイナスの気持ちが少しずつほどけていった。それと同時に嫌になっていた自分の教本達が少し誇らしくも思えた。
教本は全てとってある。また開けてみようかなと思えた。
自分は先生にやりたい曲が言えなかった。けれど、「自分の習ったものはみんなが知らないだけで、悪いものではなかった。」ということが分かったのだ。
私は、まず『バイエル』を聞くことで弾けなかったが気持ちが少し昇華された。また、教本は「むしろ海外を取り入れて最先端だった。」と気持ちが上書きされた。
つまり、自分の習っていた教本の認知を変えることが出来たのだ。
こうして、私はアダルトチルドレンの心が少し軽くなったのを感じた。
さらにバイエルを弾いていけばもっと心は昇華されると思った。近々楽譜を手に入れたい。
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