来日早々某有名店有名食事執行
某社会媒体(英語ではSNSとは言わず正確にはソーシャルメディアといふ)で紹介されていた「オムリバーグ」をいただくため中目黒に。
平日でもりっぱに行列ができていた。それでも20分くらいで店内に。
これは日本の特徴かもしれないが、めちゃくちゃ綺麗に着飾ったおひとりさま女子が多い。まるで軽井沢の社交お見合いにでも(?)来たかのようだ。
これも社会媒体のなせる業か、アジア某国からも評判を聞いてやってきていた。
日本人はおとなしく静かなので、その某国三人組の声のヴォリュームが店内を突き抜け、外まで漏れそうだった。
世界各国からオムリバーグの評判をききつけて馳せ参じる世の中になった。ニュージャージーのわが街にあるスロッピージョーズ名店のサンドイッチを食べに、日本からも来てもらいたい。
世界中の人々が「ニッポンのメシ、世界最強」と思っていることに、日本人は誇りに思うべきだ。どこに行っても何を食べても味の平均点がレベチ。
客の大半がオムリバーグを注文していた。「次はオレかな?」と身を乗り出すと、お姉さまはスッと右へ左へステップし、方向を変えてしまう。
どうやら自分でオムレツの上からナイフでまっすぐの線を引き、タラーと左右に流れる半熟卵を完成さなければならないようだ。
私の額から「タラー」と別の液体が流れてきた。「できるかしら」という緊張のため。
ついに私のもとにオムリバーグ氏がやってきた。お姉さんに「これは自分でやるんですよね?緊張します」と言って笑かすのを私は忘れない。
ゆっくりとナイフを入れ、一刀両断すると、あらまきれいにトロトロと流れ出る半熟卵さん。横を通りかかったお姉さんが「キレイにできましたね」と幼稚園の先生のように私を誉める。
なんだか食べる前にすべてが終わってしまったかのような放心。いやいや本番はこれからだぞ。
ふわトロ卵・肉厚ハンバーグ・少なめのケチャップライス・底部のホワイトソースが四位一体となって私の口内で化学爆発する(要は、うまい)。
来てよかった。