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LINEなどのアプリはなぜ強いのだろうか

このエントリーは2012年10月頃evernoteに書き残してあったメモを再掲載します。LINEの重要性に気がつき各社が通話アプリに参入し始めていたころに考えていた話です。

まだ通信キャリアであるDoCoMoやKDDIは事の重大さに気がついていない頃(と思われた)です。

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DeNAやサイバーも参入してレッドオーシャン化している通話アプリ分野であるが、この分野は当初、音声定額というキラーコンテンツを持ち、それがskypeですら長らく規制されていたのが、通信キャリアの影響の及ばない、太平洋の彼方の西海岸で審査されるアプリストアでいつしか配信が可能となり、電話帳データと連動できることも相まって、急速に普及した、ぐらいに考える人は正直2周ぐらい遅いのではないかと思う。

LINEなどのこれらのアプリは、結果として、音声通話をそこまで食い合っている訳ではなく、通信キャリアが長らく統制してきた「携帯メール」を食い合っている。最大の被害者はデコメサービスを生業としてきた事業者なのではないか。

携帯メールが、ソーシャルサービスや、ネイティブアプリと連動しているもの、それこそがLINEの本質なのだろう。私は当初、SMSこそが携帯メールを食い合うと思っていたが、SMSは依然として規制が厳しく、お金もかかり、通信キャリアが積極的でないところに、大外からメッセージ分野に超新星が登場した、結局通信キャリアはSMSを生かし損ない、LINEにその絶対的な権力装置を奪われる結果と成ってしまったのだから皮肉だ。

これまでのバイラル装置であった携帯メール自体が一つのプラットフォームになっているからこそ強いなあと思う。

このように「スマートフォンにある基礎機能」は、通信キャリアのよくわからない規制もなく、この分野をもサービス化(アプリ化)できるため、破壊的なモデルやマーケティングが実現できればこの分野で一気にマーケットを制することが出来る、そこんなことがこの一年で起こった。最も有名なのはfacebookが買収した写真アプリInstagramだろう。

動画閲覧、音楽視聴、メッセージ、決済、地図、時計、健康ツール、ビューアー、などスマートフォンに搭載される基礎機能で開拓されていない分野はまだ非常に多岐にわたる。この部分の本質に気がついている人はまだそんなに多くないけれど、スマートフォンがスゴいのは、フィーチャーフォン時代の勝手サイトのときよりも、ものすごく夢があるなあ、ということだ。

しかしLINEにアプリを提供する人たちは、appleに決済手数料30%を取られる構造がある限り、LINEアプリを提供しても、ウェブサービスでも無い限り、引き続き利益率で厳しい戦いを強いられるだろう。

ソーシャルゲームのような高い利益率をほこるコンテンツ以外は、なかなかLINE上で、自分たちの存在感を示したり、LINEを活用して自社のIPを拡大していくようなことは難しいだろう。結局LINEの客寄せパンダとして使われるのだろうなと感じる。

それにしてもスマートフォンに搭載されうる基礎機能をベースとして、新しい顧客獲得プラットフォームを作る、というのはなかなか楽しいのではと思う。

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Takashi SATO
この記事は「投げ銭」記事です。ポジティブにお金が回る仕組みにしてみたいと思いました。記事をおもしろいと感じてくださった方は「投げ銭」をよろしくお願いします。