Levi's701を分析して、サスティナブルなコットンでリプロダクトしました。COTTON USA™シリーズ第二弾
こんにちは。モリタです。
コロナの影響で仕事が激減し、暇な時間が多いので筆がすすみます。
今回は先日藤原が紹介していた、66前期モデルに引き続き、リーバイスのリプロダクトシリーズをお届けします。
前回の66前期モデルはこちらをご覧ください↓↓
本日ご紹介するのは701モデルです。
ヴィンテージ Levi’s701
いきなり片脚のない状態ですみません。もう分析後の抜け殻です
弊社スタッフの私物なのですが、新しい生地の開発の為なら!と分解を快く引き受けてくれました笑
今回はこちらの生地をリプロダクトしていきます。
この701モデルの特徴ですが、世界発の女性用ジーンズとして開発され、マリリンモンローが履いたモデルとして、「モンローデニム」などと呼ばれているデニムです。
今女性の間でハイウエストのパンツを履いて、タックインするスタイルが流行っていますね。そのスタイルにばっちりなシルエットです。
ヴィンテージ 生地の表情
少し寄りの写真を見てみましょう。
生地はかなり薄く、10oz~10.5ozの印象です。
これは予測ですが、生地が痩せて本来よりも少し薄くなっているのでは。
という仮説を立てました。なのでリプロダクトした生地は若干肉を持たせていこうかと思います。
ムラ感はそこまで強くなく、弱ムラと呼ばれるタイプのものです。
ここから生地を分析していきます。
分析ってどうするの?と思われた方はこの記事をご覧ください↓↓
打ち込みの本数を調べて、糸をほどいていって糸質を確かめます。
糸の選定はこれで行います。
板巻き
こちらは板巻きとデニム業界では呼ばれています。
いわゆる糸の見本になります。
糸を黒い板に巻き付けてムラ感がわかりやすくしています。
デニムではほかの生地と違い、糸のムラ感が重要になってきます。
このムラ感がタテ落ちに大きく左右されるからです。
今回はこの701のムラ感に近いものを紡績工場にお願いして、オリジナルで作りました。
原料は66モデル前期でも使用したCOTTON USA™認証の取れた米綿100%のサスティナブルな原綿を使用します。
そうやってリプロされた素材がこちらです↓↓
RS701-03
やっぱり地味ですね。
タテ糸のインディゴ色はこんな色だったんじゃないかと想像してピュアインディゴ100%の色を選びました。少し青みのあるインディゴ色です。
ヴィンテージより、少し肉のある11ozに仕上げました。
機屋
RS6244-03と同じ機屋さんで織ってもらっています。
セルヴィッチのデニムを織ることで一番難しいことは織キズがでることなく、A反を出し続けることです。(逆に織キズの多い反物はC反と呼んでいます。)
ただでさえ古くて扱いの難しい力織機ですが、それを扱って正しいクオリティに上げることは本当に職人と呼ばれる方しかできません。
力織機にも個体差があり、それに見合った調整をしていかないと、A反を出すことができないんですね。
いい風合いに仕上げることができたとしてもC反であれば、商品にすることができないので生地としては不合格になります。
この機屋さんはA反率95%以上を誇るスペシャルな機屋さんです。
仕上げ加工
-03加工と呼ばれる毛焼き、スキュー(ねじれ防止)、サンフォライズ(防縮)をしています。
RS701-03 Gジャンサンプル
うわぁ。。カコイイ。。。
もう少し寄ってみましょう。
これ以上の寄りはカメラの技術が追い付かないので撮れませんでした。
耳はオリジナルと同じ平耳にしています。
風合いですが、通常のデニムよりかなり柔らかく、使い古していくごとに、どんどん体に馴染んでいく素材が出来上がりました。
今日はこのへんで。
モリタ