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定番セルヴィッチデニム生地を掘り下げて説明してみる

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初めまして、コレクト事業部の藤原と申します。

これからモリタと一緒にブログを更新していきます。

今後とも宜しく御願いいたします。

前回の更新でモリタが仕事内容に軽く触れていましたが

私たちは自分で企画した生地を在庫して、主にアパレルメーカー様に卸販売をしております。

その中には、10年以上リピート生産し続けているロングセラー定番商品もたくさんあり、

今回は定番中の定番、18年以上もずっとリピート生産しているセルヴィッチデニムを一つ取り上げて、深く掘り下げて紹介してみたいと思います。

14oz 弱テンションセルヴィッチデニム 【RS6244-03】

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はい、これがそのRS6244-03という商品です。

写真だと全く映えませんね。

いつも悩むのですがデニム生地の写真を映えさせる方法はあるのでしょうか。

・生地コンセプト

1950年代の無骨なヴィンテージデニムをモデルに開発。

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・【糸】原料の綿について

原料には複数産地の綿(コットン)をブレンドした中長綿の原料を使用し、強弱のあるムラ糸に紡績。 

RS6244-03はデニムの粗野感、武骨さを重視しているのであえて中間程度の繊維長のコットンを原料に使用しています。

 ※綿糸には単一綿(例、スーピマ、ギザなど)同じ産地でとれたものだけで紡績したものと、混綿(アメリカ、オーストラリアなど複数の産地の綿を混ぜ合わせたもの)があります。 一長一短ありますがそれぞれの特徴はまた別の記事で説明します。 

50年代のヴィンテージデニムのタテ落ちに見られる点落ち。

50年代も含め、それ以前のデニムに見られる点落ちとは、糸の不均一さと旧式の力織機で織り上げる生地の凹凸感がデニムの表情となり、INDIGOの点落ちとなり、線となるタテ落ち感のことである。

 ※RS6244-03に使用している糸はモデルとしたヴィンテージデニムを模したムラ形状を意図的に作っています。 一本の糸の中で太い部分、細い部分があり、それが色落ちした際のデニムの表情を決定づけています。

RS6244-03は経糸(タテ糸)6番、緯糸(ヨコ糸)7番とかなり太い糸を大阪の紡績会社で紡績してもらっています。

目付は480g/㎡、オンス換算で14.1oz かなり厚手でヘヴィーな部類のデニムです。

・【染め】インディゴ染色について

デニムに使用する経糸の多くは、表面はキレイなインディゴブルー。

でも、糸の中心部分までは染まりきっていない(糸の芯は白いままなので芯白といいます)という特殊なロープ染色という方法で染色しています。

ロープ状にまとめられた糸をインディゴの浴槽に潜らせた後、
そのまま天井高くまで引き上げ酸化還元させることを数十回も繰り返すことで色に深みを持たせています。

RS6244-03ではインディゴの中でも濃すぎず、薄すぎない中間くらいの色目に染めあげています。

・【織り】力織機について

当時のような、ゆっくり力強く織ることによる風合い、凹凸感を再現する為、旧式の力織機(セルヴィッチ)を使用しています。

織る際、タテ糸のテンションを弱くすることにより、ザラザラした風合いがより前面にでてきます。

 ※さりげなく書いていますが、この経糸のテンションを弱くして織る方法が非常に難しく、大変な技術がいります。下記、INSTAGRAMの動画1枚目で左右にガシャガシャと飛んでいる木製のシャトルという部品が緯糸を運んでいます。経糸のテンションを強く張っていないと、どこかに触れた際に経糸が切れてしまい、それが生地の織りキズになるのです。 

現在の量産用の生地との大きな違いは、上記の通り風合いと凹凸感であるとともに、革新織機で織ったデニムは、1m〜1000mすべて同じ表情になってしまう点です。

力織機(セルビッチ)は、常に日々変わる天候、織機のコンディションにより表情が変わります。ただ、決してその安定性を無視したことではなく、風合い、凹凸感を出しながらキズがなく、現在求められる生地のクオリティを出すのが、職人の技術であると考えています。

※旧式力織機:俗にヴィンテージデニムと呼ばれるデニムを織っていた当時の織機です。製織スピードが非常にゆっくりで生産量としても1日約50m程しか生産できません。 5ポケットのデニムを一着作成するのに必要なセルヴィッチ生地の用尺は約2.5mです。

RS6244-03を製織してくれている機屋さんが最近SNSを始めました。

私たちが企画するセルヴィッチデニムはこの機屋さんがいるから成り立っています。

貴重な工場内の写真などアップしているので良かったらフォローしてみてください。

さて、細かく分けると他にもたくさんの工程があるのですが、ざっくりと原料、染色、製織(織り)の説明が一通り終わりました。

気づいた方も多いと思いますが、原料の綿糸は大阪の紡績会社、インディゴの染色は広島県福山市の企業、製織は岡山県井原市とそれぞれの工程を違う企業に外注しております。

実は国内でデニムを一貫生産できる会社はカイハラ㈱さんだけなんです。

私たちのような産元は各工程、それぞれに特化した企業毎に任せているのです。

そして、次が最後の工程です。

・整理加工について

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デニム生地を織り上げたままの状態のことを生機(キバタ)といいます。

生機のまま使用するメーカーもあるのですが、ほとんどのメーカーさんは整理加工済のものを使います。

それは、生機のまま使用すると洗濯するたびに、縮むし、捻じれるし、表面も毛羽立っているからです。

このRS6244-03も縮み防止、捻じれ防止、毛焼きの3種類の整理加工を施しておりますが、RS6244-03はもともとのコンセプトだったヴィンテージデニムの粗野で無骨な雰囲気を重視したため、毛焼きに関しては弱めの弱毛焼きという、生機の毛羽感を残す方法で仕上げています。

整理加工の詳しい説明や、他にも様々な組み合わせや種類があるのですが、それはまた別の記事で。

以上が、RS6244-03の説明です。

メンズ向けのニッチなニーズに応えられる、

ロングセラー商品で、代替の効かない普遍的な魅力のある生地です。





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