忘れられない夕方

大学生のとき、教職過程を途中でやめた。
でも申し込みしていた介護実習と特別支援学校での実習は行かせてもらった。

どちらもたくさん色んなことを学ばせてもらって、今でもそれらが自分の基盤の一部になってるところがある。

今日書くのはその介護実習のときに出会った一人の職員の方との話。


実習中、その方と自分のいるフロアはちがったので話すことはほぼなかったのだけど、見かけたときに輝いていたので意を決して最終日の実習後、その方のいるフロアに出向き好きな言葉をきいた。突拍子もないし、迷惑かもとビビったけど、行かなかったほうが絶対後悔すると思って。

好きな言葉をきくのは中学からの謎儀式というか。価値観を知りたいとかそういうのより、その質問だと話しかけやすいのと自分は言葉を集めるのが好きだったから(現在進行形)。


話をもどそう!


まずその方のフロアに行って声をかけるのにめちゃくちゃ勇気が要った。利用者の方が帰られたあとの、職員の方が事務仕事に取り組んでいる後ろ姿が並んでいる.…。
その中声をかけて「???」となりながら、その方は来てくださった。そばにある椅子みたいなソファで座って、自分の質問に答えてくれた。

これ!!!っていう好きな言葉というより、仕事してる上でこの仕事についてよかったなぁ、とかそういう価値観みたいなのをその方は教えてくれた。

「好きは大事!」

その方が今の職についたのは、当時付き合っていた人が何の気なしに誘ってくれた介護ボランティアに参加したのがきっかけだったらしい。勉強とか大変だったけど、がんばれたなぁって。この仕事につきたい!と思って勉強して、それが今まで続いている。そして、好きなことをするのが何で大事なのかと思ったら、自分がたとえそのことが(まだ)得意でなくても、そのことが得意な人に出会えるから、って。

今までと全くちがう「好きなことをすることの大切さと良さ」の視点で、この話を聞いたとき感動した。


自分と同じようにそれが好きな人と出会えること…。得意な人と出会えること.…。



新しい世界の見方をその方に教わったのでした.…。話したのはそれっきり。ただその夕方だけ。でも今でも忘れられない、今でも自分の世界の見え方はその人からの影響を受けていること。


一期一会だよなぁ。
紙芝居でいったら、そのページがなくなっても物語は成り立っている可能性のほうが高い。でも、この瞬間があったから、見落とさなかったものが今までに絶対あった。


なくても変わらない瞬間はないし人生に無駄はないと思ってるから、紙芝居の例えは余計だったかな。でも、なんか、それほど一瞬のことだったというか。なのに、こんなに今も覚えててこんなにも影響をもたらしていて。不思議だよね。それきりなのに人の一生を変えちゃうって。


これほど煌めきをもった一瞬をくれたその方に、ずーっと幸あれ!


好きなことをしよう。


好きなことしたい。

でも、それをしてどうなりたいんだろう。
こうも思うね。

んじゃまた。