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【連載】ノスタルジア大図鑑#19|日本全国キーホルダーぶらり旅:四国周遊編
ゴールデンウィークも終わりが見えはじめ、胸がざわつく今日この頃……。
でもこの連載を楽しみにされている皆さんなら、きっともう旅行先でお目当の「アレ」ゲットしてますよね! なんならギミックまで気になり始めてますよね!
それでは、今回も日本一のキーホルダーコレクター・水上 友さんと一緒に「お土産キーホルダー」を求めて〈日本全国キーホルダーぶらり旅〉に行きましょう♫
今回はやってきました、四国とお土産キーホルダーをめぐる巡礼の旅!
第1回「北海道編」はこちらから↓
第2回「京都府編」はこちらから↓
第3回「東京都編」はこちらから↓
第4回「青森編」はこちらから↓
【ノスタルジア大図鑑とは】
昭和やそれ以前、物心ついた頃からあたりまえにあったもの。
めまぐるしく移り変わる時代の中で、気づいた時には無くなっていることも。さまざまな理由で「このまま放っておいたらいつか無くなってしまうかもしれないもの」、後世までずっと残して受け継いでいきたいと思う「日本の文化・日々の暮らしの中の物事」を取り上げ、個性豊かな執筆陣による合同連載<ノスタルジア大図鑑>としてお届けしていきます。
第5回:四国周遊編
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こんにちは。
お土産キーホルダー友の会会長の水上友と申します。
全国の観光地を巡り、お土産キーホルダーの収集・研究・普及活動を行っています。
===土産屋百景===
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「日本全国キーホルダーぶらり旅」第5回は、弘法大師の足跡をたどる四国八十八ヶ所巡礼の旅。
思いやりと感謝の気持ちで手を合わせ、自分を見つめ直す心の旅に出かけましょう。
それでは、早速「おいでんよ徳島」「おいでまい香川」「おいでたなもし愛媛」「ようきんしゃったなぁ高知」!
①阿波踊り(徳島県)
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右:サイズ全長98mm(フォブ本体48mm)×幅55m 重量34g
「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ、ヨイヨイヨイヨイ、踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々♪」の “よしこの節” で知られる阿波踊りは、四国三大祭りの筆頭にして日本最大級の伝統芸能。
スイングアームねじで連結された頭部と胴体部が、踊りに合わせて別個に揺動する “首振り(スイング)キーホルダー” とともに、賑やかなお囃子に乗って四国最大のお祭りを満喫しましょう。
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②かずら橋(徳島県)
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本品は、通称 “大型縄目” と呼ばれるシリーズ。
亜鉛製のずしりとした重量感と直径60mmという大きさが特徴で、元々は登山バッジの意匠に使用されていたザイルロープ枠に由来するものです。
銅メッキに強めの古美仕上げが、近世まで陸の孤島とも称された大秘境 ”祖谷” の雰囲気と相まって、平家落人伝説の浪漫をかき立てます。より秘境感を求めるなら、酷道(国道439号線)経由で、”奥祖谷” まで足を伸ばすのがベター。
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③琴平(香川県)
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森の石松が海道一の親分・清水次郎長の代参として金比羅宮へお参りする旅をモチーフにした本品。スイング仕様でゆらゆらと揺れる道中合羽が、石松の帰路に待ち受ける運命を暗示しているようです。
裏面には、香川県に古くから伝わる民謡「金比羅船々(こんぴらふねふね)」の一節。
“追風(おいて)に帆かけてシュラシュシュシュ♪”
金毘羅を目指し、船上で陽気な調子を唄う参詣客の姿が目に浮かびます。
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④栗林公園(香川県)
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栗林公園随一の景観である飛来峰からの絶景を、繊細な彫刻と遠近感のある構図、さらには、ダイヤカット切削による外枠のアヤメカット、タイトルのスライドカットで、高級感あふれる仕上げとなっています。
特に、借景である紫雲山を背景に、手前に楓木立と偃月橋、奥に掬月亭を配置したダイナミックな構図はお見事。
歴代藩主がこよなく愛した掬月亭で季節の移ろいを感じながら、一服のお茶を嗜む至福のひと時はいかが。
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⑤屋島(香川県)
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本品裏面にも記された「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響あり」で始まる『平家物語』の冒頭文は、国語の教科書にも採用される有名すぎる名文。平家の栄華と没落、そして世の無常を説く古典軍記の名作です。
本品のモチーフである那須与一は、『平家物語』で源平合戦の“屋島の戦い”を描いた一節 “扇の的” に登場する弓の名手。波間に揺れる小舟の上の扇の的を射よ、という源義経の無茶ぶりに、外せば死罪は免れない極限の緊張感を天秤仕立てで表現した秀作です。
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⑥松山城(愛媛県)
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小振りの黄金小判に交通安全のおみくじという御利益感満載の構成に加えて、本物の五円玉をアクセサリーとして使ってしまう大盤振る舞い。見た目だけでお金持ちになったような錯覚を起こさせる逸品です。
裏面には、松山の誇る俳人・正岡子規の俳句「春や昔 十五万石の 城下かな」。子どもの頃過ごした故郷の春を懐かしむ時、舞い散る桜の花びらが想い出の中で静かに輝きます。
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⑦道後温泉(愛媛県)
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道後温泉は、『日本書記』にも登場するわが国最古ともいわれる温泉です。本品では、道後温泉のシンボル ”道後温泉本館“ をホログラム・レインボー(オーロラカラー)シールを用いることにより、旅行という非日常感の演出に成功しています。
ホログラムシールと言えば、ビックリマンにおけるスーパーゼウスなどのヘッドシールに使用されたホログラム・レンズが代表的なものですが、お土産キーホルダーでは、ホログラム・レインボーが一般的です。
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⑧龍河洞(高知県)
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本品の特色は、何と言っても、高知県原産の特別天然記念物 ”尾長鶏” の尾羽による縁取り装飾です。本品をぐるりと取り囲う尾羽の長さは、まさにギネス級! ちなみに尾羽のギネス記録は10.6mとのこと。
最大の見所であるはずの龍河洞のシンボル ”神の壺(鍾乳石と一体化した弥生土器)” を差し置いて、どうしても目が行ってしまうほど強すぎる存在感。その雄姿は、龍河洞に隣接する珍鳥センターで観察することができます。
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⑨桂浜(高知県)
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本品は、蓄光塗料の施された土佐闘犬と桂浜をメインモチーフに、ラメパウダー入りのハードエナメルでコーティングしたプレートキーホルダー仕様。堂々たる化粧まわし姿の横綱が暗闇に浮かび上がる様は、まさに月の名所にふさわしい仕上がりとなっています。
裏面は、土佐方言集。裏面の意匠としては、地図ほどではないにしろ、方言集も比較的ポピュラーな部類に入りますが、「ばっさり」、「いごっそう」等々、なぜあえてこれらの言葉を選んだのか気になるところです。
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⑩足摺岬(高知県)
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本品は、 “お土産キーホルダー友の会” が認定する浮彫部門最優秀作品賞受賞作。藪椿の配色、方位磁針の配置、タイトルのフォント、レリーフの立体感、重量感など全てのバランスが完璧。
これぞまさしく “ザ・お土産キーホルダー” !
裏面は、昭和47(1972)年開業の足摺海底館(海中展望塔)。
全国に6つある海中展望塔のひとつで、昭和遺産とも言えるレトロな館内から眺める色とりどりのサンゴ礁や熱帯魚は、おとぎ話の竜宮城を連想させます。
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==== キーホルダー用語解説⑤ 【ホログラム】 ====
ホログラムとは、光の反射を利用して視覚効果を得る加工技術。
キーホルダーの表面ではなくシールなど素材そのものに加工が施されており、特に、光の当たる角度によって七色に変わるものは、 “レインボー” 、 “オーロラ” 、 “タマムシ” などと呼ばれています。
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①赤系/ 海遊館(大阪府)
②橙系/鳥取砂丘(鳥取県)
③黄系/伊勢志摩(三重県)
④緑系/ 佐賀空港(佐賀県)
②青系/兼六園(石川県)
③紫系/通天閣(大阪府)
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ほかにも「大歩危」、「四万十川」、「宇和島」、「小豆島」など紹介しきれなかったタイトルもたくさんあったのですが、四国八十八ヶ所の霊場巡りにちなんだキーホルダーの数々いかがでしたでしょうか。
次回は、神話のふるさと「山陰巡り編」へ!
縁結びのパワースポット「出雲大社」、山陰の小京都「津和野」、とっとり梨の花温泉郷「三朝温泉」、スタバは無いけどスナバ(砂場)はある「鳥取砂丘」など、雄大な自然や悠久の歴史・文化など日本の原風景があふれるキーホルダーを紹介する予定ですので乞うご期待!
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【著者プロフィール】
水上 友(みずかみ とも)
お土産キーホルダー収集家。全国の観光地を巡り、お土産キーホルダーの収集・研究・普及活動を行っている。約30年かけて集めたキーホルダーの総数は2万点を越える。おそらく日本一のコレクター。
著書に『日本お土産キーホルダー大全』(辰巳出版)がある。
●Twitter:@mizukamitomo
●Web:http://keyholdertaizen.pya.jp/
「日本全国キーホルダーぶらり旅」を含む、個性豊かな執筆陣による合同連載「ノスタルジア大図鑑」はこちらから↓
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