BAG ONEイベントレポ #03 | 鈴木成一装画塾 × 日々の一滴 展
こんばんは、編集部 saです。
資料が山積みの自席で、先日初めて向かいの席の先輩の顔を見ることができました。これぞ、本に囲まれた生活ですね(遠い目)
本日は、5月1日から5月15日までBAG ONEにて開催中の「鈴木成一装画塾 × 日々の一滴 展」の展示をご紹介します!
(上)展示風景
(下)藤原新也先生による絵画作品
心おきなく外出することが難しい今、少しでも多くの方に作品をご覧いただけたらうれしいです。
鈴木成一さんといえば、『白夜行』(集英社)、『私の男』(文藝春秋)など、作品の魅力を余すことなく伝える装丁で知られる日本を代表する装丁家。
本展では、鈴木成一デザイン室が装丁を手がけた藤原新也 著『日々の一滴』(弊社刊)を、鈴木さんが講師を務める鈴木成一装画塾を受講した18名のイラストレーターさんがそれぞれの世界観で表現しました。(書籍も絶賛発売中ですよ〜!)
〈以下 敬称略、順不同〉
出口 瀬々
伊勢市出身、心理学科卒
0.05のミリペンが相棒です。
「日々の一滴」と名付けられた、他者を真摯に見つめた藤原先生の本を読むと普遍的な大きな流れに触れたような浄化されたような感覚がありました。そのイメージを大切に今回は描きました。
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経歴
2017-19 青山塾ベーシック科・イラストレーション科
2018 第208回ザ・チョイス準入選
2020 第217回ザ・チョイス入選
kalo
イラストレーターです。
ステッカー、マスキングテープ、バースデーカード、小説の装画を手がけています。
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展示のイラストは『日々の一滴』の読者がこの本を通して、窓から街並みを眺めるように社会を眺めるさまをイメージしました。
http://kalo.ws/profile/
古沢 有莉
神奈川県出身
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業
パレットクラブ19・20期修了
デザイン制作会社等のグラフィックデザイナーを経て独立
2016年よりイラストレーターとして活動
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写実寄りの中に不思議な空気を足したり、少し毒のあるものを柔軟に描いていきたいと思っています。今回の作品は藤原新也さんが切り込む被写体とのごく近い距離をふまえ、それを遠くから眺めて人々を祝福するイメージで描きました。
寺尾 昭一
最近は電子書籍角川文芸、土橋章宏著『いも殿さま』の扉絵、描かせていただきました。
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画材はコピックでしたが、今回の作品より、淡いファジーな色合いが出したく水彩画に変更しました。今後は時代小説のさし絵や装丁を手掛けていきたいと思います。
サイトウ ホヤ
イラストレーター 東京都在住
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本の中に素敵な写真がふんだんにあるので、抽象的なイラストにしました。
エピソードは全て人間の営みの集積と解釈し、人影、人波がモチーフです。また写真一枚を水の一滴と換算すれば、藤原さんのカメラマンとしての軌跡は海のごとく広く深く。そんな発想から海中のイメージも重ねて表現しました。
ゆかこ(イラストディレクション)
ブックデザイナー
1997年・神奈川県生まれ 東京都武蔵野市在住
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業
株式会社 tobufune を経て、next door design に入社・在籍中
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装画に対する理解を深めるために本講を受講。変な夢みたいなイラストが好きです。
※ディレクション側での展示参加希望のため、メンバーからイラストレーターを指名、製作依頼をしています。
丸山 礼華(まるやま・あやか)(イラスト)
埼玉県出身東京都在住
イラストレーター・WEBデザイナー
桑沢デザイン研究所夜間部 VD 卒業
MJ イラストレーションズ 19期
HB ファイルコンペ vol.29 藤枝リュウジ特別賞
第1回 東京装画賞学生の部平和紙業賞
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デジタル、アクリル絵具、鉛筆などを使用し、製作しています。
※ディレクション側希望であるメンバー、ゆかこさんからの指名を受けイラストを担当しています。
宮下 和
東京都出身
2017年 多摩美術大学油画専攻卒業
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グッズのイラストレーションや広告のお仕事を中心に活動中。作品は「なぜ同時に死ねない」の一節からイメージして制作しました。本を読んでから生と死についてよく考えるようになりました。
冨田 陽子
illustrator
大阪在住
第5・6回 東京装画賞入選
Gallery House MAYA 装画コンペ vol.18 入選
第210・218回 The Choice 入選
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「ハートの菜の花」
この本の最後の方に出てくる、石牟礼さんのお話を読んで思いつきました。彼女の長い戦いと、まるで対になるような彼女自身の柔和さ。この本の内容とカバーもそれと同じような関係にしたいと思いました。
koji
思わずにやりとしてしまうゆるいイラストを描いています。
デザイナーとして、女性向けや子供向けアパレルカタログ、雑貨、ステーショナリーなどのデザインに携わってきました。
現在はデザイナー、イラストレーターとして活動中。
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トレンドにのってSNSでいいねを求める少女達の一見明るそうに見えて、何かに縛られている孤独な感じ。そんな女子たちを表現できたらと描きました。
大宮 のぞみ
長野県在住 イラストレーター版画の技術を使った作風で制作しています。女優・松井玲奈さん 連載『累々』挿絵担当。
文芸や装画のお仕事を募集中です。
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『日々の一滴』藤原新也さんの庭先の出来事も遠い異国のことも同じ目線で語る姿勢がすてきな本作、激しい文面の根底に流れるやさしさを表現できたらと思いました。丸の連鎖は、輪廻、極楽浄土や数珠などの仏教感を連想するよう描いています。
Instagram:#omiya_nozomi
Twitter:@noz038
田辺 結佳
多摩美術大学油画専攻卒
写真や糸を扱ったコラージュやアクリル、油彩を用いたペインティングを制作、主にアートの分野で活動中。
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本作は『日々の一滴』を読んで感じた日常のなかでふと神々しさを感じる瞬間、物事のリアルとフェイクの境界のあいまいさについて考えていることをテーマに制作しました。
金子 幸代(かねこ・ゆきよ)
新潟県生まれ 東京造形大学卒業
パレットクラブ13期
イラストレーション青山塾 17-19 期修了
2020年 Gallery House MAYA 装画コンペ 準・MAYA賞
2019年 東京装画賞 協賛企業賞
バニーコルアート賞
2019年 Gallery House MAYA 装画コンペ MAYA賞
福音館書店 月刊『たくさんのふしぎ』2020年8月号の挿絵担当
文藝春秋『Number』の連載コラム、『Number on number』カットなど
タカヤマ マキコ
広島県出身 東京都在住
多摩美術大学造形表現学部デザイン学科卒業
真梨幸子著『ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで』(幻冬舎)装画、『趣味の園芸 野菜の時間』(NHK出版)イラスト、
スカイマークエアライン機内誌『MARK!』イラストなど
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p.226~p.229の「カワタレバナ」をイメージして描きました。また同時に、『日々の一滴』を読んで個人的に感じた生と死のイメージを、死者の墓に供えられた花が生き生きと咲いている対照的な風景を描くことで表現しました。
洞 智子
滋賀県在住
広告制作会社を経て、2010年よりイラストをメインにフリーランスとして活動をはじめる。
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主に色鉛筆、パステルで描いていますが、今回の作品は水彩絵具で制作しました。本書のなかで一番心に残った「厳寒の中の数珠」を題材にしています。
つやざき りん
2018~写真
本業は中小印刷会社営業・広報
紙という媒体について考え続けています。
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『日々の一滴』を読み考えた「今」と「私」がテーマです。撮影した自分の足元をベースにPhotoshop の自動拡張を利用し、見ているようで見えていないものを表現したいと考えました。
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「鈴木成一装画塾 × 日々の一滴 展」DMの書籍撮影担当
小倉 智子
「老人と猫」のエピソードに自身の体験を重ねました。私の場合、姉ではなく、猫ではなく犬。そして母を元気付けるために迎えた犬に一度も触れることなく母は逝きましたが……。
一方で当の犬は、自身が背負わされていた当初のミッションを知る由もなく、呑気に元気に日々を過ごしています。(今回描いたのは我が家の犬ではなく、彼女が恋する近所の老犬ダルメシアン)
カワタ アキナ
人物イラストを中心に描いています。変わらないようで確実に変化していく「日々」へのまなざしをイメージして描きました。
本展では、これらの装画がデザインされたブックカバーも販売中!
ぜひ展示とあわせてご覧ください◎
文:sa
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今回装画展の題材となった『日々の一滴』は好評絶賛発売中です!↓
【BAG ONE(バグワン)とは】
出版社トゥーヴァージンズが運営する「本を読む人が集まる場」をコンセプトにした「BOOK & CAFÉ BAR」です。
「鈴木成一装画塾 × 日々の一滴 展」は今週 5月15日(日) まで開催中!タイミングの合う方は是非に!
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【sa】
入社2年目、4月から編集部配属。好きな食べ物は 1位 お寿司、2位 アイス、3位 ぎょうざ です。ボタンエビにだけ発症するアレルギーもち。原因究明に興味のある方のご連絡お待ちしてます。
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