02_新規事業構想のポイント(ツール共有)
新規事業構想のピッチなどに臨むときに、「それは考えていなかった」という点を突っ込まれたご経験はないでしょうか。今回は、そんなヌケモレをなくすために自分が新規事業を構想する際に使っているツールを共有します。
元ネタは、『リーンキャンパス』という新規事業のビジネスモデルを可視化するためのフレームワークです。そこにアレンジを加えており、事業を考える折に必要最低限の事項を抜け漏れなくシンプルに整理できるものになっていると思います。
市場を見つけてサービスを投入するマーケットイン型の事業アイデアの枠組みを構想・検討する際にご参考にしてみてもらえたら嬉しいです。
※xlsx形式のデータです
項目と構成は以下の通りになっています。
セクションをわかりやすいように色分けしています。
構成
「顧客を明らかにする」
「サービスを明らかにする」
「お金の流れ」
「その中核」
項目一覧
①顧客は誰なのか
②顧客が抱える課題
③既存のソリューション
④顧客が本当に果たしたい目的
⑤既存ソリューションで手が回っていないこと
⑥価値提案(中核)
⑦顧客がなぜこのサービスを選ぶのか
⑧必要なリソースとパートナー
⑨ステークホルダーはwinwinか
⑩最小でテストできる方法は何か(MVP)
⑪顧客へのアプローチ
⑫コストの構造
⑬収益の流れ
基本的には、①~⑬までを順番に言語化することで、「1枚で事業がわかる企画」が完成しますが、特に重要な点として3つをピックアップしてご紹介します。
④顧客が本当に果たしたい目的(ジョブ)はなにか?
事業を構想する中で「顧客・ターゲットが抱える課題」は必ず考えるかと思いますが、その課題解決の先に何が実現できればいいのか?まで一歩踏み込んで思考してみることが重要です。
『顧客が欲しいのはドリルではなく、穴だ』という考えに近いですが、これはさらにもう一歩、「その穴はなぜ必要なんだっけ?」という本質に思考を踏み込んでみることを意図しています。
⑦顧客がなぜこのサービスを選ぶのか
競合との差別化ポイントの検討に近いですが、「数多の解決策がある中で、なぜわざわざあなたを選ぶのか?」を客観的に言語化する必要があります。『リーンキャンバス』の中にも「圧倒的優位性」という項目があります。ここではそれに加えて、機能的な価値のほかにも、情緒的な価値(心理的な要因なども含め)て言語化することをおすすめします。
この部分ををどれだけ具体化できるか、また確信を持てるレベルにまで引き上げるか?が、勝率を上げるうえでも必要な考え方です。
⑨ステークホルダーのwinwin
ほぼ、まとめの要素になりまですが、事業を進めていった結果、そのビジネスに関わる全員(自社も含め)が本当にwin-winの状態になっているかを見返して再検討することを意図します。やってみるとわかりますが、特に自社にとってのwinの部分は、思いのほか抜け落ちたりします。考え方としては関係者にとってのwinを与えた結果として自社(自分)に対してもwinがもたらすことになるのか(逆も然り)いうアラインをとる視点を持つことが重要です。
まとめ
今回は、新規事業構想に使えるフレームワークツールを紹介しました。
重要な点は、(逆説的になりますが)作ることに時間をかけないことです。感覚的にですが5~6割程度の完成度で十分だと思います。
残りの4~5割は、実際に市場に出してみて、お客様の声を頂かなくてはサービスとして筋の良いものを創っていくことはできないだろうというのが実感です。
このツール自体を、そうした仮説検証ツールとして使っていただきたいのとはもとより、長期間サービスを運用していく中で、事業の根本・コアとして残り続けるものになります。なので、いつでも初心に還れる、目的に立ち戻れるものが、常に手元にある状態を創るということに、芯の意図があります。
最後に、作成例として当社が運営している「シェルパ」というサービスを構想した際に、実際に使ったものも載せておきますので、宜しければご参考にしてみてもらえればうれしいです。
「シェルパ」は、スタートアップなどのアーリー期の企業向けの専門家(顧問)を紹介する顧問紹介サービスです。同様の経営顧問紹介サービスが、世の中に山ほどある中で、どこに着眼点を置くべきなのか?が最も重視したポイントとなっています。ご参考になる部分があればと思います。
以上、今回のシェアが、事業構想や事業発展の一部に寄与することができれば嬉しく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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