#4 独立編②:30歳から人生を立て直したい人のためのnote
順調なスタート
無事に開業し、オープン当初から顧客もそれなりに抱え、順調に滑り出したかに思えた新サロン。
この頃はコースを作っていたので、前金で全額入金されるため、すぐに月商100万円を超えるようになりました。
有名な雑誌に取材されたり、このままうまくいけば人気サロンの仲間入りか・・・!?と期待していた矢先、オープンしてから3ヵ月後くらいに先輩の様子がおかしくなり始めます。
先輩がメンタルを病みはじめる
たびたびの遅刻、アルコールの匂いをプンプンさせながら出勤してきたり、空き時間に「姿が見えないな?」と隣の部屋を覗くと部屋の隅で小さくなってボーっと座っていたり。この時はまだ前のサロンでの緊張感が無くなって解放感からそうなっているのかと軽く考えていたのですが・・・・。
先輩は先生の一番弟子のような立ち位置で、誰よりもパワハラを受けてきた人でした。
まだ他のスタッフが誰もいない頃、暇な時間があると先生に呼び出され、3時間近く立たされたまま理由もなく怒られ続けたこともあったそうです。
元々の性格も辛抱強く生真面目で、あまり腹を割るというか本音を話さない人でした。ゆえにゴロ美だったら適当に聞き流していた過剰な叱咤や罵詈雑言、そういったものを何年も全部受け止めてしまっていたのでしょう。
今思えば、退職を先生に告げた後くらいから同僚たちと飲みに行くとやけにテンションが高くなり、しつこくゴロ美に絡んできたりしていたので、もしかしたら先輩はその頃から静かに壊れ始めていたのかもしれません。
先輩の様子はどんどん悪化
先輩の遅刻はやがて無断欠勤になり、連絡が付かない日も増え始めました。
2人同時に予約が入っていた日に出勤して来ず、やむを得ず平謝りしてお客様にお帰りいただいたこともあります。前のサロンから通ってくださっている方も「ちょっと最近変だよね」と気づき始めていました。
ただその頃のゴロ美にはメンタルの病気についての知識がほとんどなく、どうしてあげたらいいのかわからないまま、ただ日々が過ぎていきました。
そうして1年も経ったころ、先輩がサロン用の携帯電話を持って帰ったまま出勤せず全く連絡がつかない日があり、「もしかしたら家で倒れてるんじゃ・・・?」と心配になったゴロ美はかすかな記憶を頼りに一度だけ行ったことのある先輩の家を訪ねることにしました。
家には明かりがついており、在宅を確認したゴロ美はインターホンを押したのですが反応がなく、近くのコンビニにでも行っているのかと最寄りのコンビニに探しに行きましたがそこにも彼女の姿はありません。
仕方なくもう一度家のインターホンを押し、また反応が無かったので「もう寝たのかな?」と思いながら何気なくドアポストを覗くと・・・
立っていました。数メートル先の真っ暗な玄関の隅に。
あまりにもびっくりして「いるなら返事してくださいよ!」と声を掛けるも反応がありません。ずっと微動だにしないまま突っ立っているのです。
怖すぎてポストの隙間から「あの~・・携帯だけここから渡してもらえます?」と静かに語りかけるも無反応。
「お客さんと連絡取れないのは困るので・・・」と言っても無反応。こりゃ今日は無理だなと思い「明日また来ますね」とその日は自宅へ帰りました。
そして一人になった
この出来事のあと、仕事を続けてもらうのはもう無理だと判断し、ほどなくしてから実家での静養を勧め、その助言通り先輩は地元に帰っていきました。
「良くなったらいつでも戻ってきてくださいね」と伝えましたが、先輩の立場からすれば後輩からそう言われて悔しい上に腹も立ったと思います。今でも何が正解だったのかわかりません。
その後私から連絡したこともあったのですが、先方から返事が返ってくることはありませんでした。
絶縁状態になってからもう10年以上経ちます。
さて、予想外に一人きりになってしまったゴロ美。人生で初めて仕事に対するモチベーションを失ってしまいます。
なんや元気ないのぉ・・ 張り合いないわ!ほままたな!