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日本連勝、富士山が見た勝股美咲の炎と打線の意思統一 女子ソフトボール日米対抗2024第2戦

2024.7.8. X投稿の再掲です。

虹色ソフトボールさんの「虹色トピック」に日米対抗第2戦の観戦記を寄稿しました。(2024.7.8)

一回表、1番の大川茉由(ホンダ)が粘って四球で出た後、二塁内野安打でチャンスを広げた唐牛彩名(日立)。6-5で迎えた六回には送りバントもしっかり決め、追加点につなげた。
日本の先発は坂本実桜(日立)。2022、23年は代表候補を体調不良で辞退し、これが代表初登板とあって緊張も見えた。捕手・切石結女(トヨタ)とのコンビネーションもこれから。
大学通算122本塁打のパワーで注目されるジョセリン・アロ。この日は2番に入り、第1打席で中前打を放って来日初安打を記録した。この打席は体勢を崩されずにうまく打ち、第4打席でも強い打球で三塁のエラーを誘った。第3戦で一発が見られるか。
三回2死、臨時代走で二盗した藤本麗(ビックカメラ高崎)を左前打でかえして追加点を挙げ、一塁塁上で笑顔の大川茉由(ホンダ)。1番で2安打1四球。5打席のうち4打席で得点に絡んだ。持ち前の俊足に加え、何かしら仕事をしてくれそうな雰囲気を持つ打者になった。
先発の坂本実桜(右、日立)と切石結女(中央、トヨタ)のバッテリーにアドバイスする宇津木麗華監督。坂本にとって厳しかった初登板が、どんな糧になるか。
四回、中溝優生(デンソー)と藤本麗(ビックカメラ高崎)の重盗で1点を挙げた後、中前に同点適時打を放ち、一塁で山田恵里コーチ(手前左)と喜ぶ切石結女(トヨタ)。第1戦は4人、この日は3人の投手をリードして懸命にホームベースを守りつつ、打っても2安打2打点。打撃では手首の返しが早いのを修正し、「前を広く」スイングするよう意識しているという。
四回1死一、二塁でリリーフして相手の4、5番を抑え、ホッとした様子でベンチへ戻る勝股美咲(ビックカメラ高崎)。低めはうかつにストライクを狙わず、よく切れた得意のライズボールで高めいっぱいを振らせた。
五回2死二塁から右中間へフェンス直撃の勝ち越し二塁打を放つ川畑瞳(デンソー)。これが決勝点になった。低めの球に引っかからないよう見極めたという。打撃の状態は良くないそうだが、野手で1人だけになった東京五輪代表として、経験の力を見せる3安打。
2盗塁などの走塁でもライトの守備でも、持ち前の足でスタンドを沸かせた藤本麗(ビックカメラ高崎)。五回のこの打席ではわずかに遊撃内野安打とはならなかったが、フィールドを駆け回る体の動きや顔の「表情」が豊かで、ソフトボールのスピードとともに楽しさを教えてくれる。
六回に右前適時打を放ってリードを広げ、一塁で山田恵里コーチと喜ぶ工藤環奈(ビックカメラ高崎)。「ファーストストライクをしっかり振りにいこうと(みんなで)話した」という通り、1-0からの2球目をとらえ、「イメージ通りのスイングができた」。第1戦のサヨナラ打に続き、この日は2打点。「この日米対抗でいい調整をして(ワールドカップ・ファイナルで)いい色のメダルを取れるよう頑張っていきたい」という。安打にならなかった打席も、獲物を仕留めるスイングだった。
六回のチャンスに3打席連続となる安打で8点目をたたき出した塚本蛍(ホンダ)。3安打1犠飛2打点で、5番の役目を果たした。三振しないことと本来の強打を両立させるモデルチェンジが、実を結ぶきっかけとなるか。
3番手でリリーフし、パワーの米国打線を抑えて投げ抜いた勝股美咲(左から2人目)。気迫のこもった投球だったが、ベンチへ戻ると派手なガッツポーズもなく、はにかみながらナインと控えめな?タッチをかわす。投球はさらに力強くワイルドになっても、マウンドを下りたらこのままの方が、この人らしくていいかもしれない。ヒロインインタビューでは「私たちのプレーを見て、みんながもっと頑張ろうと思ってもらえたら」と頼もしい言葉も。

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