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女子ソフトボールW杯ファイナル動画観戦記<スーパーラウンド>

2024.7.18-19 X投稿の再掲です。

◆スーパーラウンド第1戦◆「蟻の一穴」日本、米国に敗れ初黒星

女子ソフトボールのワールドカップ(W杯)ファイナルステージ第4日は7月18日、イタリアのカスティオン・ディストラーダでスーパーラウンドが始まり、B組1位の日本はA組1位の米国に0-2で敗れた。B組2位のオランダとは対戦せず1次ラウンドの勝敗を持ち上がるため、日本は1勝1敗。米国は2勝となった。

先発投手は日本が後藤希友、米国はメーガン・ファライモ。ニトリJDリーグでトヨタの両輪として投げる2人の対決で始まり、四回まで0-0で進んだ。 五回表、米国の攻撃は4番のジョセリン・アロから。日米対抗前には米国のサイトに掲載された今大会のロースターにおらず、大会直前に発表された代表に名を連ねていた。日米対抗では日本の投手陣が打撃を崩しており、この日も第1打席は三振に取ったが、この打席では死球を与えた。これが「蟻の一穴」となる。

ここまで無安打に抑えていた後藤が、続くジェシー・ウォーレンに右越えの三塁打を浴びて先制点を許した。初球を外角から入ったが、米国の打者相手には少しでも高くなってバットが届けば飛ばされる。さらに今季から日立でプレーするデジャ・ムリポラにも三塁線を破られ、2点目を奪われた。

打線は六回2死から石川恭子(トヨタ)が、この日2本目の安打となる二塁打を放つ。続く塚本蛍(ホンダ)が外角の変化球をとらえた打球が遊撃手を越え、石川が還ったのもつかの間、ビデオ検証で離塁アウトと判定されてチェンジに。盛り上がった反撃ムードが暗転した。

日本は1次ラウンドで足を生かした攻撃が光ったが、この場面は劣勢で迎えた終盤の2死二塁。相手の守備力もこれまでと違う。微妙に気が早ったのかもしれない。 投手陣は六回から上野由岐子(ビックカメラ高崎)が登板し、安打らしい当たりは1本に抑えたが、打線は七回もファライモをとらえ切れず、3安打完封を許した。

4チームによるスーパーラウンドは、この後でカナダ(A組2位)―オランダ(B組2位)が、19日には日本‐カナダ(日本時間午後6時)、米国‐オランダが対戦する。日本と米国がともに勝てば20日の決勝で再び激突するが、果たして…。 (2024.7.18)

日米対抗2024から

◆スーパーラウンド第2戦◆日本、カナダ下し米国と決勝へ

女子ソフトボールのワールドカップ(W杯)ファイナルステージ第5日は7月19日、イタリアのカスティオン・ディストラーダでスーパーラウンドなどが行われ、日本はカナダを7-2で下して2勝1敗とした。20日の決勝(日本時間21日午前3時)で米国と再戦し、前身の世界選手権から通算して2014年以来3大会ぶり4度目の優勝を目指す。

米国は前日2勝目を挙げており、日本とカナダが1勝1敗同士で米国への挑戦権を懸けた1戦。昨年のグループステージで1勝1敗の相手でもあり、日本は早めに先手を取りたかった。 二回裏、下山絵理(トヨタ)の安打を足場に須藤志歩(豊田自動織機)、唐牛彩名(日立)の連打で1点を先制する。

四回には四球と須藤の安打で1死一、二塁として切石結女(トヨタ)の左中間安打で1点を追加。さらに石川恭子(トヨタ)の適時打、塚本蛍(ホンダ)の二塁打でこの回一挙5点を挙げて流れをがっちりつかむと、五回にも相手のミスを逃さず1点を加えた。

投手陣は先発の後藤希友(トヨタ)が立ち上がりを3人で片付け、二回からはストライクが先行して危なげなかった。 五回2死二塁となったところで、宇津木麗華監督は坂本実桜(日立)をマウンドへ送る。坂本実はいきなりキアンナ・ジョーンズに左前打を許した後、左翼手・中川彩音(SGホールディングス)の内野返球が悪送球となり、いったん三塁で止まった走者が還って1点を失う。

六回にも坂本結愛(戸田中央)の連日の好守で1死を取った後、エリカ・ポリドリに甘い球を左翼越しに二塁打され、2死後にもラリッサ・フランクリンの打球が背走した中川のグラブに当たって落ち(記録は二塁打)、1点を返された。ただ、切石とのテンポが徐々に合ってきた感もあり、坂本実にとっては第2戦に続いて経験を重ねる登板となった。

決勝は18日のスーパーラウンド初戦で敗れている米国との再戦。投手を中心としたディフェンスが前提なのは常だが、得点をもぎ取らなければ優勝はない。 打線は2番を打つ主将の石川が開幕から5試合連続安打を放ち、16打数10安打の打率.625、5得点3打点4盗塁と申し分ない働きで引っ張っているのが心強い。後を打つ下山、塚本も期待に応え、下位では切石が打撃でも奮闘している。 ただ、打線の起動が2番からになってチャンスが5~7番に残る場面が多い。ここを打つ選手をどう起用するか、あるいは1・2番を替えるか。米国の選手起用も注目される。(2024.7.19)


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