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女子ソフトボールW杯ファイナル動画観戦記<1次ラウンド>

2024.7.15-17 X投稿の再掲です。

◆1次ラウンド第1戦◆日本、オーストラリアを下し好発進

女子ソフトボールのワールドカップ(W杯)ファイナルステージは7月15日、イタリアのカスティオン・ディストラーダで開幕して1次ラウンドが行われ、世界ランク3位の日本は同10位のオーストラリアを3‐0で下して好発進した。

8日の日米対抗第3戦と同じ先発メンバーで臨んだ日本は、四回裏に石川恭子(トヨタ)がバント安打と相手の悪送球で二塁へ出ると、すかさず工藤環奈(ビックカメラ高崎)が送りバント。2球でつかんだ1死三塁の先制機に、4番・下山絵理(トヨタ)がレフトの頭上を越す二塁打を放ち、1点を先取した。 さらに2死後、坂本結愛(戸田中央)がリリーフのカーヤ・パーナビー(SGホールディングス)からレフト線へ三塁打を放ち、2点目を奪った。

六回にも3番手のエレン・ロバーツ(元大垣)を攻め、下山の左前打と藤本麗(ビックカメラ高崎)の犠打、坂本結のこの日3本目の安打で1点を追加した。 先発の後藤希友(トヨタ)は六回までに5安打されたが落ち着いて両サイドを使い、危なげない投球。三回に切石結女(トヨタ)が盗塁を刺し、四回のピンチでは川畑瞳(デンソー)が二塁ベースの左を抜けそうなゴロに追いついて適時打を防ぐなど、バックももり立てた。

七回は三輪さくら(シオノギ)が3人で終わらせ、試合終了。 大会は8チームが2組に分かれて1次ラウンドを戦い、各組の1、2位によるスーパーラウンドを経て最終日の20日に決勝と3位決定戦を行う。 日本はオーストラリアのほか世界ランク2位のプエルトリコ、同8位のオランダと同じB組で、16日はプエルトリコと対戦する。A組には米国、カナダ、イタリア、中国が入っている。(2024.7.15)

日米対抗2024から

◆1次ラウンド第2戦◆日本連勝、足と長打でプエルトリコ圧倒 

女子ソフトボールのワールドカップ(W杯)ファイナルステージ第2日は7月16日、イタリアのカスティオン・ディストラーダで1次ラウンドが行われ、B組の日本はプエルトリコに五回8-0でコールド勝ちして初戦に続き連勝した。

17日のオランダ戦にも勝てば3連勝のB組1位でスーパーラウンドに勝ち上がる。 日本は一回表、1死から石川恭子(トヨタ)が足を生かした遊撃内野安打で出塁。3番・塚本蛍(ホンダ)の中前打で一気に三塁へ進むと、ダブルスチールを決めて先取点を挙げた。さらに満塁として須藤志歩(豊田自動織機)の犠飛で2点目が入る。

先発の三輪さくら(シオノギ)が三回まで失策の走者1人に封じて迎えた四回表には、1死から代打・藤本麗(ビックカメラ高崎)のセーフティバント、切石結女(トヨタ)の内野安打でチャンスをつくり、中川彩音(SGホールディングス)がセンターへ3ランを打ち込んで完全に流れをつかんだ。さらに石川の三塁打、塚本の適時打で1点。五回にも4安打で2点を追加した。

14安打のうち内野安打が5本。外野へ飛んだ打球でも、相手の守備力を踏まえた積極走塁でチャンスを広げた。 投げては四回から坂本実桜(日立)が登板し、最初の打者に安打を許したが、その後は打者のタイミングを外して走者を出さず、五回裏を終えてコールドゲームとなった。

2試合を終え、まだ打撃の調子が出ていない野手もいるが、チームの武器である足を生かしてつくったチャンスに、タイムリーが出ている。投手陣は三輪が2試合投げ、この日が初登板の坂本実も上々のスタートを切った。(2024.7.16)

◆1次ラウンド第3戦◆日本、3連勝でスーパーラウンドへ

女子ソフトボールのワールドカップ(W杯)ファイナルステージ第3日は7月17日、イタリアのカスティオン・ディストラーダで1次ラウンドが行われ、B組の日本はオランダに4-3で七回サヨナラ勝ちして3連勝し、同組1位でスーパーラウンドへ進んだ。B組はオランダが2勝1敗で2位。日本は18日(日本時間19日午前3時半)のスーパーラウンド初戦でA組1位の米国と対戦する。

日本は先発・後藤希友(トヨタ)が立ち上がりからキレを欠いて制球にも苦しみ、三回無死一、二塁で宇津木麗華監督は三輪さくら(シオノギ)にスイッチしたが、三輪も1球で送られた後、高めの球を3連打され3点を先行された。 宇津木監督はたまらず上野由岐子(ビックカメラ高崎)を投入する。上野が2者連続三振で切り抜けた後、四回以降も球数を使いながら丁寧に抑え、打線の反撃を待った。

打線は先発の左腕ヴァン・アールストを打ちあぐんだ。五回まで2安打。芯を外れた打球が目立った。石川恭子(トヨタ)、藤本麗(ビックカメラ高崎)が足でつくった好機にもあと1本が出なかったが、六回にしつこい攻撃が実る。 石川、塚本蛍(ホンダ)の連続バントで無死一、二塁とし、4番・下山絵理(トヨタ)が9球目をたたいてセンターの右を抜く二塁打を放ち、2点を返してアールストをマウンドから降ろした。

さらに2番手の右腕リサ・ホップから、坂本結愛(戸田中央)の遊ゴロで下山の代走・唐牛彩名(日立)が好判断を見せて三塁へ。ここで宇津木監督は6番・工藤環奈(ビックカメラ高崎)の3球目にヒットエンドランを仕掛け、工藤がショートの前へうまく転がして唐牛が同点のホームを踏んだ。

七回裏は先頭の切石結女(トヨタ)が二塁手の左を抜く安打で出ると、1死後に石川の送りバントが敵失を誘い一、三塁。ここでも塚本の代打・須藤志歩(豊田自動織機)がヒットエンドランを決め、サヨナラ勝ちした。 次の試合ではA組の米国が中国を6‐0で下して3連勝し、同組1位で勝ち上がった。

スーパーラウンドは第1日にA、B両組の1位同士と2位同士が対戦し、第2日はたすき掛けで対戦して順位を決め、最終日の20日に3位決定戦(日本時間21日午前0時半)と決勝(同3時半)を行う。

日本はこの日、石川や藤本のしぶとい打撃と足が起点となり、下山もここ一番で主砲の働きをした。開幕から石川の出塁率が頼もしい。当たりの出ていない打者もヒットエンドランや足でつないだ逆転からは、苦戦の中にも今の日本の戦い方が見えた。 だが、スーパーラウンドでは米国投手の強い投球にどれだけ小技を決められるか。相手守備陣も簡単には走れる隙を見せてくれないだろう。バッテリーは早々と上野にここまで頼らざるを得なかった反省をどう生かすか。収穫、課題とも内容の濃い3試合と見えた。(2024.7.17)



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