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20歳(はたち) ③


   六甲山の夜景をひととおり眺め終えていた。寒いかうべの山の上で彼女と私は見つめあっていた。数分間も見つめあっていた。
   
   2人とも、しかめっ面をしていたわけではない。 ただ、それをにっこり笑っていると言うには、少しぎこちなさがあった。まるで日本の仏さんの顔がそうであるように。





   テテテ・テテテン♪テテテ・テテテン
それは、幼なじみからの電話だった。率直にまとめると、私のことが好きで付き合って欲しい、との内容だった。
少しお酒に酔っているようだった。
私はその返事をデートの日に延期してもらった。

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