社会人(大人)になるということ
新卒の人たちが入社する季節。
期待に胸を膨らませ、なんて人は1割にも満たないだろう。
本音は働きたくねー、だと思う。
会社というのは不思議なもので、仕事ができる人間が辞めていく。
「いや、あなたは我が社に必要な人材ですよ!」というような人が。
昔に比べればマシだとは思うが、会社を辞めると社会不適合者の烙印を押される傾向にある。
だが就職してすぐに辞める人がそのままクズに成り下がった話はあまり聞いたことがない。
そういう人は先見の明があるのかもしれない。
世間の目に惑わされずに「ここにいてはダメだ!」と行動できる決断力があるのだろう。
もちろん辞めることが最良!と言いたいわけではない。
辛いのを我慢してそこで技術を身につけるのも良い。
痛くないと覚えないってのは残念ながらあることだから。
会社に入ると世間からは社会人とみなされるが、真に社会人になれるわけではない。
成人式を迎えただけで大人になれないのと同じ。
多分、臨死体験をしないと真の大人にはなれない。
大げさに聞こえるかもしれないが、生きていれば死んだ方がマシと思えるような辛い災難が必ず襲ってくる。
それはどんな仕事をしようが、どの道を選ぼうが平等に目の前に現れる。
大事なのはそれをどう凌ぐかである。
戦ってもいいし逃げてもいい。
ただし絶対に死んではならない。
死は完全敗北である。
時代や民族によっては実際に修験者として修行したり、槍一本で荒野に放置されたりバンジージャンプなどの死ぬ確率が高い試練を強制的に与えられる。
通過儀礼というやつだ。
現代にそんなものはないが、代わりに長い年月をかけて社会全体が殺しにかかってくる。
しかもいつ襲ってくるか、どういう風に降りかかるか予想ができない。
そういう意味では大人になるための通過儀礼は今でもある。
もう少ししたらtwitterやネット記事に「すぐに辞める新入社員」やら「新社会人はなにを考えているのか分からない」みたいな記事が出てくるだろう。
気にするな。
先見の明があるあなたのことを書いているのではない。
就職してすぐに退職するなんてことは屁みたいな問題。
自分を社会不適合者とか思わなくていい。
死ななければ、この世のすべてのことは安いのだ。
死ななければ、敗北はない。