ASDと実行機能におけるMeta-analysis
今日も何んとなーく読み始めた論文から勉強してみようと思います。
「実行機能:Executive Function」とは、
複雑な課題の遂行に際し、課題ルールの維持やスイッチング、情報の更新などを行うことで、思考や行動を制御する認知システム、あるいはそれら認知制御機能の総称である。
出典:https://doi.org/10.14931/bsd.2072
「実行機能:Executive Function」はASDやAD/HD等の神経発達症における重要な因子であることは明らかですが、意外と?わかっていないことも多いようです。
EFは、ひとつの総称であることから過去のメタアナリシスやレビューでも関連するEFの構成要素に焦点が当てられ、体系的に研究されていなかったと…。
なら、読んでみよう…。
Autism spectrum disorders: a meta-analysis of executive function
E A Demetriou, A Lampit, D S Quintana, S L Naismith, Y J C Song, J E Pye, I Hickie & A J Guastella
Molecular Psychiatry volume 23, pages1198–1204 (2018)
https://doi.org/10.1038/mp.2017.75
とりあえず、
実行機能の発達的変化と関連する脳領域
出典:https://doi.org/10.1038/mp.2017.75
実行機能の主たる研究領域/指標として、
Concept Formation/Set Shifting
Mental Flexibility/Set Switching
Fluency
Planning
Response Inhibition
Working Memory
まぁメタ解析の結果を見ましょう。
実行機能の全体の効果量が中程度(k=221, g=0.48, 95% CI 0.43-0.53, P<0.001)で異質性もまずまず(I2=46.2%)のようです。
出典:https://doi.org/10.1038/mp.2017.75
で、次にModerator analysisとして種々の関連する要因を基に検討していますが、割愛…。ほとんど有意差はないようです。
例)年齢、性別、診断、IQ、測定法の特徴など
個々の構成要因だけを評価してもわからん…てことかな?そうなの?なんか意外な感じ。
臨床的感度はOL<15%が基準となっているようで、
これらを満たしているのは「実行機能に関する行動評価尺度(Behavior Rating Inventory of Executive Function : BRIEF)」がほとんどでした。
日本語版は、これから??という感じ??
何とも不完全燃焼感がすごい…。
気になって色々と見ていたら、面白うそうなのを発見!
「BADS Behavioural Assessment of the Dysexecutive Syndrome 遂行機能障害症候群の行動評価」の子ども版が作成されつつあるようです。
Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome for Children (BADS-C)
Assessing Children’s Executive Function: BADS-C Validity
Jessica Fish and F. Colin Wilson : Front. Psychol., 19 February 2021 | https://doi.org/10.3389/fpsyg.2021.626291
また今度読んでみましょう。