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takasaba
「おばあちゃんの声が聞こえる」
私の財布には、今はほとんど使われなくなったテレフォンカードが入っている。そのカードには、愛するおじいちゃんとおばあちゃんの写真が映っている。家族の思い出を込めてカスタマイズしたものだ。今日は、おばあちゃんについて書いてみたい。
おばあちゃんは栃木の田舎で育ち、女学校に通うために東京に出てきた。そこで先生の資格を取得し、おじいちゃんと結婚するために再び栃木に帰った。そして、6人の子供を育てる日々が始まった。私が彼女と同じ大学に入学したとき、彼女の喜びはひとしおだった。会える機会は限られていたけれど、思春期の悩みを打ち明けると、「いいんだよ、シマシマパーちゃんの思う通りでいいんだよ」と、優しく励ましてくれた。
私から見ると、おばあちゃんは本当に優しくて、聡明な人だった。時折、テレフォンカードを手にすると、彼女との会話が思い出される。「うまくいかないよ、おばあちゃん」と心の中でつぶやくと、「いいんだよ、一生懸命やってるよ。おばあちゃんの血が流れてるからできるよ」と、彼女の声が聞こえてくる気がする。テレフォンカードは、私にとって大切なお守りのような存在だ。