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今日こそ二人で(3)【ナツキの視点】

メイを再び乗せ、僕は車を走らせました。

お気に入りの林の中のパン屋で昼食用のパンを買い、自宅に向かいます。


窓を開け、風を呼び込み、新緑の山間のワインディングロードを気持ちよく走り抜けた先。

そこが、僕の部屋でした。


少し離れた駐車場に車を止め、
エンジンを切ると、とたんに静寂が訪れます。

鳥と、虫の鳴き声。

そして風が揺らす木の葉の音。

それしかない、静かな林の中、メイと手をつなぎながら、僕は歩きました。

林の木漏れ日を浴びながら歩くことが、なんて奇跡的なことなんだろう?

メイも林の中を抜けて行く事に感激してくれていて、僕たちはそれぞれの視点で、静かな感動の中にいました。

いつも歩いている道が、いつもより優しく感じます。

砂利を静かに踏みしめる音が、とても優しく聞こえます。

それは、僕の手の中にある、メイの優しい手の感触のお陰に他ならない事を、僕はよくわかっていました。


最初にメイをツインレイとして認識したのも、イングリッシュガーデンの前。

今、また僕は林の中にある部屋にメイを招き入れようとしています。


僕たちの中には、緑や木々という共通の好む環境があるようでした。

そして、それはその後でフラッシュバックする記憶の呼び水だったのですが、その時の僕には、ただ静かに幸せに陶酔するだけでした。


そして、
ついに僕は、扉を開けて、

メイを部屋に迎え入れたのです。

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