お家を探そう!(4)【ナツキの視点】
僕の人生のモットー。
「人生は借り物競争」
いかに所有せずに、借りて、借り換えて、次々に交換しながら成長していくか?
でした。
しかし、そのポリシーが少し揺らぎだしています。
それは、田舎に来てくれる、メイとその子供のためでした。
僕は子供のころ、引っ越しでものすごく苦労した経験があります。
環境の変化についていけず、いじめにもあい、うつろな日々を送りました。
大げさではなく、生き地獄だと思っていました。
だから、
引っ越しには、かなり慎重でした。
メイはまだ、自分の意志で僕の元に来てくれます。
でも、その子たちは、
ついていくか、残るかの二択です。
母についてくることを選んだのはその子の意志であるとしても、
その選択を迫った現実を作った責任の半分は、僕にあります。
その子に、田舎でもよかったと思って欲しい。
そのためにできることは、なんでもしてみよう。
せめて猫を飼う夢くらい、かなえてやりたい。
僕のポリシーは、未来の家族への想いの前に、緩やかにその形をかえていきました。
少しづつ、少しづつ。
そんなある日、メイからあるお家の情報がやってきました。
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