今日こそ二人で(5)【ナツキの視点】
長い愛撫の果てに、
僕とメイは、ついに一つになりました。
悦びと、興奮と、安心感と、緊張と、
全てが入り交じった感情の中で、僕は律動し、
メイはそれに応えてくれました。
それは、間違いなく興奮と快楽の時間でありながら、
試行錯誤と、戸惑いの中にもいました。
メイの暖かさを感じながら、物足りなさも感じ、
ありとあらゆる、感情が渦巻き、吹き出す時間でした。
長い、長い律動の後に、僕はその時を迎え。
僕たちの初めての愛の時間は終わりを迎えました。
でも、僕らは、離れようとしませんでした。
今は、それぞれに別れていても、触れている肌は解け合って行きます。
二人でそのまま、肌を寄せ合い、腕を回し、
僕たちは1つに感じられる、その感触の世界に浸り続けました。
あの、イングリッシュガーデンでメイの手に触れてから。
確かに流れた時間と思い出、出来事。
でも、すべてが夢のような感じです。
8年前。
そして先月。
そして今。
時間はあるようで、無く。
出来事は、夢のようにはかなく、しかし現実にある。
この不思議な世界を、僕は戸惑いながら、よろこんでいました。
その時です。
カタカタ・・・・
何かの音がしました。
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