再び、メイのもとへ(3)【ナツキの記憶】
遠くに見える人影。
僕にはメイだとすぐに分かりました。
そして、こちらに近づいて来たその人は。
やはりメイでした。
すごく微妙な感覚です。
恥ずかしいような、嬉しいような、愛おしいような、くすぐったいような。
車を見つけたメイは、僕の開けたドアから乗り込んできました。
最初に、なんて声をかけたか。
すでに記憶はありません。
正直、緊張して、照れていて。
平常心ではまったくありませんでした。
どこへいこうか?
という話にすぐなりました。
もちろん、頭のメモリーボードは、さっき見た特殊なホテルの映像が、ありありと写っていました。
後日談で、メイ的には「Yes!」だったそうですが。
僕には、誘う勇気もなく、ゆっくりお話ができる公園を探しました。
それには、ちゃんと理由がありました。
僕らはメイの誘導で、別の大きな公園に向けて車を走らせました。
が、僕の運転は大変でした。
クラッチワークをミスしまくり、ガッコンガッコン揺れながら走り、
あげくには信号でエンストです・・・。
マンガのようです・・・。
けして車の運転は下手ではないのですが、この日ばかりは
教習車か?
という体たらくでした。
思っている以上に、僕は緊張していたようです。
メイにからかわれて、つい
重くなったらだよ!
といえば、
じゃ、降りよっか?
とはっきり言い放たれ。
すいません・・・・。
降りないでくださいm(__)m。
そう謝る僕がいました。
男ってね。
弱い生き物なんですよ・・・。
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