はじまるふたり⑧【メイの視点】
朝から動いているナツキは
ものすごく疲れているようでした。
私はナツキを自分の膝へと誘って
膝枕をしてあげました。
少し会話をしたり
笑いあったりしていましたが
ナツキはすーっと眠りについていきました。
そこには昔からのおなじみの
見慣れているはずの顔のナツキが
ものすごく近く感じました。
ナツキの顔をすぐ近くに感じながら
この身体に入っていたなんて
知らなかった・・・
そう、感覚的に思ってしまいました。
ナツキの頬にふれ、皮膚に触れていると
人として、人間として
生きているナツキが
ここにいることが実感できました。
それはまるでかくれんぼの鬼になったような気持ちでした。
やっと見つけた、というような
感覚でした。
私たちの出会いは8年前です。
その時は
ツインレイという知識もありませんでしたが
それ以前に
ナツキに恋愛感情は全くありませんでした。
ただ、1度だけ、
ナツキと一番最後に会ったのは
6年前、
私の実家でした。
私の実家に来てくれた時に、近所を案内しました。
その帰り道、見晴らしのいい場所にナツキを連れて行って
風景を見ながら、何か話をしていました。
そのとき、
ナツキに肩を抱いてほしいな
って、ちらっと思ってしまいました。
ふとそんなイメージがやってきたのです。
ええ?!と自分でも動揺し
それはない、それはないと
心の中でキャンセルしていたことがありました。
しかも
その時
私は左側にいて
ナツキは右側でした。
フェンスの柵に手をかけながら
お互い遠くの景色を眺めていました。
それは
ナツキに気づいてもらった
イングリッシュガーデンが見えるところと
同じような立ち位置でした。
まさか、まさか
6年経って、それがこういった形で再会し
その
一瞬間違いだと思ってしまった
頭をよぎったことが
現実になるなんて
想いもしませんでした。
ナツキを膝に感じながら
しみじみと
その寝顔を眺めていました。
心からの愛おしさと
出逢えた喜びと
気づいてもらえた感謝を
ナツキに感じていました。