
wizardry
常に帰りの呪文を確保して進むのが当たり前だった。
進むための一歩の緊張感はそれまでのRPGとは全然違っていた。
時間をかけて上げてきたレベルを簡単に奪ってゆくエナジードレイン、全滅すると他のパーティでその身柄を回収に行かなければならない。アイテムごと地上に転送してくれるような、神の加護は狂王の迷宮には届かない。

そこで受けた罠の痛みに耐えながら、同じ轍を踏まぬよう手元の地図に書き込む。見知らぬ敵、一歩前すら見えない暗所は、壁を探り進める方向を探す。その場に立つとランダムに回転し方向感覚を狂わす床ではマッピングの労力も跳ね上がる。
こうして、1層ずつ下へ下へと潜ってゆく。狂王の作ったダンジョンは魔法に支配されており、ある階層までの直通ルートを見つけるとレベルの上がった冒険者はそちらを使うようになる。が、その先はさらに強敵が待ち受ける階層になるだけ。そうした敵をあいてに天文学的な経験値を積むことで、魔法使いも途方もない術を繰り出せるようになる。TILTOWAITは最大火力の魔法だが、MAHAMANとなると本当に緊急脱出用の魔法であり、その効果はまさにこの戦闘からの脱出のためにある。その結果「石の中にいる」ことも。これからの回避はもう神の手しかない。熟練のプレイヤーはまさに状況を見極め、この手を繰り出す。一瞬でも躊躇するともう救い出すことはできないから。
あの頃はフロッピーディスクという物理デバイスだったからこそ、ここに書き込まれる前に抜いて仕舞えばギリギリ回避できた。今はどれもネットワーク越しだからそんないとまもなく終了になるだろうな。まあ、今の時代そんなハードな作りは受け入れられないだろうけど。
日に数十回とワードナーにそれこそ、ルーチンワークのように面会に行き、日常生活に支障が出るほど遊んだ。1階から降りる方法に気づかずレベル999まで上げた人の話や、プレイ小説が話題になったりと、ネット時代ではないゆえに情報の共有速度が遅いぶん、個人の探索が多かった。つまづくとすぐにネットで答えが得られ、それを前提に作ることになるゲームそれも時代なんだろう。すぐそこにあるのにそれを見ずに頑張れる人もいるだろうけど、それもなかなか難しい。
色々な迷走を経て、リリースされたwizrdryの新作ダフネ。動作環境もユーザーによって様々すぎることも要因だろうけど、運営側の苦労が見て取れる。まあ、その辺りも含めて仕様と思ってのんびり楽しんでます。
一歩進むごとの緊張感がちゃんと継承されているのがいいですね。
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