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良いカウンセリングとそうでないカウンセリングの違い

カウンセリングと言っても、①単に話を聞いてあげる傾聴の場合と、②具体的なアドバイスをする場合と大きく分けて二つの種類があるのではないかと思う。

今回は②のタイプについて感じたことを書きたい。

要は悩みを抱えていて、何か解決策を見出したくてカウンセラーに頼ってきたケースだ。

私はこれまで参考になるアドバイスをくれたカウンセラーと、そうでない方の両方に会ったことがある。

なぜこの違いが生まれるのか考えてみた。

恐らく、それは彼らが私にくれた情報がいわゆる「インフォメーション」なのか、「インテリジェンス」であるのかの違いにあるのではないかと思う。

インフォメーションとは、文字通り単なる「情報」を指す。

これに対し、インテリジェンスとは、何かを判断する時に役に立つ情報を意味する。

私に参考になるアドバイスをくれたカウンセラーは、私の話を聞いてこのインテリジェンスをくれたのだ。

逆に参考にならないカウンセラーは、私の話を聞いたところで世間一般的な話、インフォメーションしかもたらさなかった。

両者の違いはこの情報の「質」の違いにあると思う。

ものの本によると、このインテリジェンスを相手にもたらすためには、相手の視点に立ち、相手が必要としている情報を推察する能力が求められる。

例えるならば、企業の経営者にアドバイスをするならば、自分が経営者でなくても経営者と同じ視点に立ち、経営者的な視点で会社の現状を分析し、その上で企業に有益な情報をもたらさなければならない。

カウンセリングなら、相談者が社長で、カウンセラーがアドバイザー。

立場も経歴も違う人にアドバイスするならば、それは相手の状況を正しく推察する想像力と、立ち位置を把握できるだけの知識、理解力等が必要となる。

ここまでのことができるのがプロの仕事であり、コンサルタントなどが膨大な知識と経験を求められる理由と同じだろう。

逆に言えば、参考になるアドバイスをくれたカウンセラーは、自身の経験や学びを経て、それだけの想像力や思いやりの力を発揮した上で、私に合ったアドバイスをくれたのだ。

カウンセリングというものは、自身の学びや経験を言語化し、整理して理屈として語る必要がある。

そのためには、相手に伝わる語彙力と表現力、自分の学びや体験を体系化して、一般化、法則として、色々な状況に対応できるだけの応用力が必要だ。

つまり良いカウンセラーとは、それだけの語彙力、表現力を工夫して身につけた専門家であり、

自身の経験に深く向き合い、学びとして一般化した上で、心理学的な知識と結び合わせて応用できるようになった人なのだろう。

それには知識や言葉に対する好奇心、表現力に対する探究心が必要であり、

自分の経験と向き合い、深く掘り下げるための忍耐力、

それらを学術的な知見と結び合わせる思考力、叡智を備えていなければならない。

これらの特徴は、それが学校の先生であれ、カウンセラーであれ、コーチと呼ばれる人であれ、人から感謝されるような仕事をした人々の間で共通して発揮されるものだと思う。

この力は生まれ付き高い人もいるだろうが、自身の研鑽がなければプロにはなれないに違いない。

最近色々と思うところがあり、改めてこの場で感謝申し上げたい。

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