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あなたは誰? 〜出会い 前編〜


それは、予期していないことだった。
求めてもいなかった。
ただ、自分の気持ちに忠実に日々を一生懸命に過ごしていた。  

めずらしく、その日はウキウキしていた。
シャワーを浴びていつもより少し濃いめの口紅を塗り、ちょっとしたダンスパーティーへ出かけた。  

椅子に座り舞台を見ていたのだけど、何か気配を感じたので、振り返った。
ある知り合いの男性と"バチッ"と目があった。

挨拶をするような関係なので、一言ぐらい何か言えばいいのに、何も言葉が出ない。

何か言おうと再度試みるが言葉が出ない。
何か言おう、私。何か。何か。。何か。。。

とりあえず、元通り前を向く。

ドキドキドキドキドキドキ…

私、どうした!?
オシャレした理由ってこの人か!?
そんな、まさか。
ぜんぜんタイプじゃないし。
おじさんだし。

と同時に、違う感覚の自分が理解する。
** あぁ、この人も同じ頃、シャワー浴びていた気がする。ワクワクしてたのもわかる。このパーティーを楽しみにしてたんだ。きっと。**

え?何、この自分。誰?

いやいやいや何かの間違いだな。
後でちゃんとご挨拶しよう。
いつもお世話になってるしね。

…と気を取り直したのでありました。  

後編へ続くー 

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