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お茶会と静物画
お茶会
長らく、一人法務でした。ある日、天才が「法務の仕事は、〇〇さんに手伝ってもらうことにしたので、よろしく」と仰って、見たこともないようなかわいい子が来てくれました。
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他部門の人にもうらやましがられました。
若者のアルコール離れが言われて久しいですし、宴会は気が進まない感じでした。自分が宴会嫌いの若者だった時に、お姉さんが「少人数でお食事なら大丈夫?」と言って下さって、お兄さんとお姉さんに何度かお食事会をして頂いたことがとてもうれしかったです。私も、「少人数でお茶会なら良いですか?」と言って、お兄さんにもお願いをして、夕方に、景色の良いオシャレなカフェでお茶会をしました。
さて、本題は、アルベール・アンカーの静物画です。
Albert Anker(1831-1910)
スイスの画家。ベルンで神学を学び、ハレ大学に留学するが、1854年以降、画家を志した。パリの国立高等美術学校に学んだ。1866年、サロン・ド・パリで金賞。自身の家族を描いた風俗画のほか、優れた静物画を残し、スイスの国民画家と呼ばれた。
おいしそうな静物画
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茶器は、ロイヤルコペンハーゲン又はマイセンのムギワラギクでしょうか。ハンドルがないカップで、受け皿が深いので、受け皿に移して飲む想定なのかもしれません。大きすぎる気もしますが、白いのは、角砂糖と思います。角砂糖を山盛りにするのが富の象徴であったようです。絵が描かれた当時に、砂糖が未だそこまで高価だったのかどうかまでは調べていませんが、やはりお茶と一緒に出てくる砂糖は山盛りが良いです。焼き菓子がおいしそうです。
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ヴィンタートゥール芸術、文化、歴史財団
茶器は、1個上の作品と同じですね。ここにも山盛りの砂糖が描かれています。珍しい形のポットです。コーヒーとお酒を同時に飲むのは変な気がしますが、琥珀色のお酒、ムギワラギク、白い山盛りの砂糖は見ているだけでうれしいので、視覚的効果を狙っているのかもしれません。
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西洋の静物画は、食べ物がテーマの場合、狩りの獲物や、死んだ魚が描かれていたり、ハエその他の昆虫が描かれているなど、時にグロテスクです。自然と人工物や、生と死の対比などの意味があるのでしょうが、おいしそうとは思えないものが多いです。ただ、私は、「食べたいか、おいしそうかどうか」「見て味を連想できるか」の観点で静物画を見てしまいます。正しい美術鑑賞ではないかもしれません。アンカーのお茶の静物画に、生と死とか、直接目に見えるもの以外の意味が込められているとは思いません。ひたすらおいしそう、食べたい、と思っています。
かわいい子とお兄さんと、アンカーの静物画のような平和な楽しいお茶会をしました。「宴会は苦手ですが、お茶会はとても良いですね。薄明さんに教わると、仕事頑張りたいって思えます」と言って頂きました。同僚と業務外でお話しする機会は、時々はあった方が良いかもしれませんが、無理に宴会をせずとも、自分に合う方法で良いのだと思います。